防音のためと「よし!コルクマットを注文しよう」という方にいきなり残念なお知らせですが、もしかしたら防ぎたい音の種類によっては厚さのあるコルクマットでも意味がないかもしれません。
素材によって防音するのが得意な音とそうでない音があるからです。
厚さに関して言うと、厚くなればなるほど確かに効果は上がると言えますが、厚くなることで少々困った事態にもなる可能性が出てきます。
そういったことから、今回はコルクマットが防音できる音の種類と厚さのデメリット、さらに、効果的なシチュエーションについて説明していこうと思います。
感想(87件) |
目次
コルクマットで防音できる音の種類
結論から簡単に言うと、コルクマットでは振動や衝撃による音を主に防音できます。
厚さがあるとなお効果が上がるでしょう。
振動や衝撃ということは、例えば足音であったり、物を落とした時などの音となります。
しかし、ここで、「え!赤ちゃんの泣き声は防げないの?」とか「ピアノのも無理?」とか「テレビはダメ?」とかいう疑問が起こるでしょう。
これも結論から言えば、ほとんど効果はないといったところです。
いくら厚さがあってもそれほど効果的ではないでしょう。
ただ、ピアノに関しては後で詳しく説明しますが、ある種の音には効果があり、ある種の音には効果がないといったところです。
実は「音の伝わり方の違い」と、「音の伝わり方による防音方法の違い」によって向く素材が違ってくるのです。
気になる音の伝わり方の違い
防音の対象となる音ですが、それには3種類あります。
1つ目は空気を伝わる音、2つ目は固体を伝わる音、3つ目は空気を伝わる音と固体を伝わる音が合わさった音です。
「空気を伝わる音」とは、つまり、人の声やテレビの音、鳥の鳴き声など、空気を振動させ伝わってくる音になります。
「固体を伝わる音」は、空気ではなく例えば家の壁や床、水道の配管などに何らかの振動や衝撃が加わり、それがそのまま家の壁や床、水道の配管などからさらにその周辺の固体を振動させ伝わってくる音です。
「空気を伝わる音と固体を伝わる音が合わさった音」は、例えば先ほどもふれたピアノですが、ピアノから奏でられる音色は空気を伝わりますが、鍵盤を叩いたり、ペダルを踏んだりする音は固体であるピアノ本体から床などを伝わります。
この音はつまり伝えるものが複合的に合わさった音のことです。
いくら厚さのあるコルクマットでも「空気を伝わる音」には防音効果がほとんどありませんが、「固体を伝わる音」には効果を発揮するのです。
音の伝わり方による防音方法の違い
防音効果を発揮するための具体的な方法は、音の伝わり方の違いにより異なります。
具体的には「吸音」「遮音」「防振」「制振」という4つの方法がありますが、これら全てが「防音」と言えます。
防音とは大きな概念になるのです。
「空気を伝わる音」に対して、音を吸収し反響を防ぐのが「吸音」で、音を遮断して外部に漏れなくするのが「遮音」です。
「固体を伝わる音」の何らかの発生源の振動や衝撃に対し、振動を少なくし固体に伝わることを防ぐのが「防振」で、振動を吸収し固体への伝わりを抑制するのが「制振」になります。
この中でコルクマットに期待できる方法は、主に「防振」「制振」で、ほんの少しだけ「吸音」もできるかなといった具合で、厚さがあればあるほど振動を防いだり、抑えたりする機能も高まりますし、音を吸収する機能すら少し高まります。
コルクマットの厚さのデメリット
コルクマットに厚さは防音にはメリットになりますが、いくつかのデメリットもあります。
厚さがでることで問題になるのが「段差」です。
例えば、部屋の一部分だけに厚さのあるコルクマットを敷くと、その段差に足を取られコケてしまう可能性もあります。
また、ドアの周辺やチェスト、テレビ台の周辺に敷くと、ドアと接触して開けられなくなったり、引き出しが開けられなくなったりということがあるので注意が必要です。
段差については、ドアやチェストなどの周辺はそれらが開く程度だけコルクマットを敷かないようにし、それ以外はできるだけ全面に敷くか、部屋の大きさより若干だけ小さく敷くと気にならないかと思います。
コルクマットで防音できるシチュエーション
それでは具体的に、どんなシチュエーションならコルクマットの防音効果を生かせるのかというのを順番にあげていきます。
もちろんこれらのシチュエーションではコルクマットの厚さがあればそれだけ防音効果も高まります。
①子供の走り回る音で迷惑をかけないように防音
やはり、コルクマットでの防音対策で一番多いのがこのシチュエーションではないでしょうか。
赤ちゃんだったのに、立つことができるようになり、すぐ転んで頭を床に打ち付けることも増え、防音以外にも安全性を考えると厚さのあるコルクマットという選択になるのではと思います。
ただやはり、厚さが転ぶ原因にならないように敷き方には注意しましょう。
歩くことに慣れると次は走り出したりします。
それは幼児期だけじゃなく学童期にまで続いたりします。
ジョイントマットは極厚大判に行き着く!わんぱく子供対策はお早めに
コルクマットはずりばいやハイハイにも良いのでお早めに
コルクマットを子供対策として考えるなら、できるだけ早めだと便利かと思います。
それは防音対策以外にも、クッション性にも優れていますし、素材的にも優しいですし赤ちゃんにうってつけだからです。
厚さがあればそれだけ安心感も大きくなります。
中でも、ずりばいやハイハイと赤ちゃんの成長過程に大切な全身運動がフローリングや他の素材のマットに比べてしやすいというところが特におすすめです。
コルクマットの肌触りはサラッとしてはいるのですが、粒子が荒く滑りにくいのです。
最近ではフローリングでツルツル滑ってしまい、ハイハイをほとんどしないうちにタッチする赤ちゃんも多いようです。
それでももちろん問題ありませんが、ハイハイなどの全身運動は大変赤ちゃんに良いそうです。
そういったことを考えると、できれば防音が気になる前に敷かれても良いのではと思います。
②ペットの走り回る音で迷惑をかけないように防音
最近ではペットを飼っている方が大変多いです。
昔は犬でも外の庭で飼われていたりしましたが、最近ではそういう飼い方はほとんど見ませんね。
家の中で飼うことの方が圧倒的に増えています。
家の中で走り回っていてもあまりガミガミ怒るのもかわいそうにも思います。
そういう時ちょうど厚さのあるコルクマットでの防音対策に良いでしょう。
フローリングの床だと滑りやすくペットも歩いたり走ったりがしにくいですがコルクマットなら滑りにくのです。
また、例えば犬種によっても関節を痛めやすい場合がありますが、コルクマットを敷けば足腰にも優しくなります。
床の傷も防げますし、防音対策以外にも大変便利に使えます。
ただやはり厚さによる段差でケガをしないとも限らないので、できるだけ広範囲に敷くなど工夫が必要です。
③電子ピアノを設置するときの防音対策
コルクマットは固体を伝わる音の防音対策に良いですが、音の伝わり方の違いでもふれた通り、ピアノは空気だけでなく固体も振動させます。
ですので普通のピアノだったら、それだけでは鍵盤を叩いたりペダルを踏む音しか防音できないので少々役不足になります。
もちろん何も対策をしないよりかはマシですが。
電子ピアノの場合ですと空気を振動させ奏でられた音はボリュームを小さくしたりヘッドフォンをしたりして対策でき、固体の振動についてはコルクマットだけでも十分対策になります。
厚さがあるとなお良いでしょう。
他にも、電子ドラムなど打楽器系にコルクマットは向きます。
④生活音がうるさいと苦情が来て防音対策
特にマンションなどの集合住宅で生活音の防音対策はご近所付き合いを考えても大変重要だったりします。
最近はマンションのリノベーションなんかも流行っていて、下の階の家が自分の家と同じ間取りとは限りません。
ウチのリビングの場所が、下の階の寝室とかぶるみたいなこともないとも言えません。
足音だったり、何かを落とした音だったり、調理器具のミキサーとかパン焼き機とか掃除機とかモーター系の家電の音だったり、指摘しだすとキリがありません。
壁の薄いアパートなどでは空気を振動させるテレビの音や話し声すら聞こえてくる場合もありますが、しっかりしたマンションの場合、固体を振動させる生活音の音の方が気になったりします。
そういった場合ちょうど厚さのあるコルクマットだとより防音対策に向くかと思います。
⑤二世帯住宅のプライバシーのための防音
防音対策は迷惑をかけたくないという気持ちと、プライバシーを守りたいという気持ちとを両立できます。
二世帯住宅で上下階に世帯が分かれているお宅も多いです。
足腰のことを考えて下の階が親世帯で上の階が子世帯という形が多いかと思います。
親世帯と子世帯、「親しくもあるのですが緊張感も忘れられない存在」でもあります。
上の階に住んでいて「生活音を気にしたくもないけれど聞かれたくもない」と考えるのも無理はないでしょう。
そんな場合、ちょっと厚さのあるコルクマットを敷いておけば、何も敷かないよりものびのびと暮らせるのではと思います。
全く気配を感じないのもさみしいですし、多少子供の声が響いているくらいが良いでしょう。
しかし、どの部屋で何をしてるのかという気配は多少消せるのではと思います。
さいごに
コルクマットを防音対策として気軽に使われることが多いですが、いくら厚さがあっても空気を伝わる音にはあまり効果がないということがわかっていただけたと思います。
ただ防音以外にも、クッション性を生かした安全対策にも向きます。
また、水にも強く簡単に拭き取れますし水洗いもできます。
それでもまだ汚れが気になるような場合は、コルクマットのようにジョイント式になっているものなら、汚れの部分だけを取って捨て新たに新しいものをはめ込むこともできます。
風合いも優しく、多数の特性から特に小さなお子さんのいる家庭で重宝されています。
デザイン的にもオシャレですし、ここで説明した以外にももっと便利な使い方もできるかもしれません。
特に人の生活音は一度気になってしまえば、どんどん気になりはじめ、今まで気にならなかった音さえ不快に感じるようになる人も多いようです。
ですから、できるだけ早めにあらかじめ対策をしておいて、隣人が最初からあまり気にならない程度の生活音にとどめておく必要があります。
実際、私は最初の対策を怠ってしまって、子供の足音で下の階の人をナーバスにさせてしまい、よく床を棒かなんかで下から叩かれていました。
結局それが引っ越しの理由になりました。
みなさんは私のような失敗のないように、ぜひ、早めに厚さのあるコルクマットで防音対策していただけたらと思います。
感想(87件) |
コメント