コルクマットを防寒対策として使い始めた人も多いのではないでしょうか?
冬の床の底冷えはけっこうきつかったりしますが敷くだけでかなり和らいだりします。
断熱性や保温性を望めるのでそれが可能になります。
でも、逆に夏の暑い日に使うとなると、なんせ「断熱効果」「保温効果」ですから、熱気がこもりまくってさらに暑くなるような印象を持つ人も多いのではないでしょうか?
そうなると、「夏は使えない」という風に考えてしまいそうですが、実際は暑い夏にこそ便利な特性を持っていたりもします。
もちろん春にも秋にも、実はコルクマットはオールシーズン出しっぱなしで使えたりするのです。
今回はそんなコルクマットの、言わば、「誤解」を解いてオールラウンダーな魅力をご紹介していこうと思います。
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目次
断熱性と保温性の効果は寒さだけ?暑さだけ?
断熱性や保温性があったらとにかく寒くなくなるという印象が強いです。
人によったら「いや断熱と言えば夏でしょう!」「水筒でも保温とあったら温かいままじゃない」という方もいらっしゃいます。
いずれにしても、私のようにはっきり意味が分かっていない方も多いのではと思います。
ですのでまず、そもそものところから入っていきます。
断熱性とは
断熱とは字のごとく熱を断つということで、つまり、熱が伝わったり移動したりするのを断つということなのです。
ただコルクマットを含め多く建材などの場合、完全に断つというのは難しく厳密に言えば断熱とは言えないようです。
ですので、できるだけ熱の伝わりなどを減少させる作用として使われていることがほとんどです。
保温性とは
コルクマットの特徴として保温性ということもよく言われます。
それについても断熱性と同じで熱の伝わりがゆっくりであるということが言えます。
その結果、温度変化に影響されにくく一定の温度を保ちやすいといった意味になります。
熱の移動基礎知識
ここでポイントになる科学の基礎知識ですが、熱の移動というのは必ず温度の高いところから低いところに向かうということです。
さらに、温かい空気は上に向かい、冷たい空気は下に降りてきます。
寒い冬のコルクマットの断熱性と保温性
寒い冬は家の中よりさらに外が冷えます。
外気にさらされた家はどんどん冷たくなります。
床も床下の断熱材や構造によっても変わりますが、下からの冷気で床もキンキンに冷えていきます。
さらに、比較的暖かい家の中の空気は外へ外へと出ようとしますし、暖房をつけても暖かい空気は上へ行き冷たい空気は下にたまるので、どうしても床だけは温めにくかったりします。
床表面は床下床上から冷やされるのです。
冷えやすい床の素材
さらにフローリングの場合、無垢の天然木ではなく合板が使われていることも多いです。
合板だとより冷えてしまいやすくなります。
床暖房などがあるといいのですが、節約のことを考えるとやたらめったら使いたくないという方もいらっしゃるでしょう。
寒い時のコルクマットの働き
寒い冬はおおむねこのようになりますが、暖房を使ったりして皆さん部屋の中をより過ごしやすい温度に保たれるでしょう。
コルクマットを敷くとそうやって温めた部屋の空気が外に出ないように断熱してくれるのです。
さらに保温性としてはそれほど寒さの影響を受けにくく、あのキンキン冷えた床の「ヒヤッ」とする感覚が少なくなったりします。
暑い夏のコルクマットの断熱性と保温性
暑い夏は家の外も暑いですが、家の中は外よりも暑く感じる場合と、反対に涼しく感じる場合とがあります。
それは主に屋根や外壁や窓の種類に大きく左右されます。
もちろん床の断熱性なども重要ですが、太陽光に対してどう対策するかというのが大きくなるので、太陽光にさらされるところがさらに重要になるのです。
暑い時のコルクマットの働き
特に暑い夏にコルクマットが発揮する断熱性や保温性の効果は、冷房をつけた時に発揮されます。
冷房で涼しくなった部屋に暑い熱気が入り込みにくくなるように断熱してくれるのです。
保温性としては、例えば外出中締め切った部屋でしかも日向の床は高温になっている場合もありますが、コルクマットだとそれが少なかったりします。
逆に冷房で部屋をキンキンに冷やしても、そのために床まで冷え切ってしまうということも防げます。
断熱性と保温性ってつまりこういうこと!
寒い冬は暖かさを逃がしたくないですし、暑い夏は熱さを家に入れたくはないです。
冬でも夏でも必ずと言っていいほど冷暖房を入れるなどし部屋の温度を快適に保ちますが、その快適な温度を保ちやすくしてくれるのがコルクマットの断熱効果というわけです。
保温性については気温の変化にかかわらず一定を保ちやすいので、冷えすぎず温まりすぎずいつも快適だったりします。
断熱性と保温性が寒い時、暑い時のどちらかにだけではなく、どちらにも効果があるということがわかります。
夏でいうと、確かに私が最初考えていたように、暑い日に窓を閉め切った気密性の高い部屋は熱気がこもってしまう恐れがあるでしょう。
しかし、窓を開け扇風機を回したり、それでも暑ければエアコンをつけたりとみなさん熱中症で倒れたりしないように快適にすることを心掛けるでしょう。
そんな時に効果を発揮してくれるのです。
暑い日にコルクマットが最も活かされるのは?
実際に暑い日にコルクマットの快適さを感じる点は、断熱性や保温性以外にもあります。
次にその点を紹介していきます。
ベタベタしにくいさっぱりした肌触り
暑い日にコルクマットが向いている特性がその肌触りにあります。
コルクはコルクガシという木の樹皮の表面だけをはいだものから作られています。
コルクは多孔質で無数の細かい穴が開いています。
この細かい穴が弾力性、防音性、防振性、調湿性、保温性などなどいくつものコルクの特性を生み出しています。
コルクマットはそんな特性を持つコルクの天然素材を加工してできています。
肌触りに関しては天然素材に由来する優しさの他、特性の中でも特に弾力性、調湿性が影響します。
天然素材の優しさ
天然素材はコルクに限らず、木製品であったり繊維であったりしても肌馴染みもよく、ホッと落ち着くような優しさを持っています。
最近では床や柱や壁にもできるだけ天然のものをとこだわられる方が増えています。
そんなナチュラル志向の方にもコルクマットは肌触りも風合いも納得していただけるのではと思います。
自然な弾力性
多孔質の細かい穴が適度な弾力性を生み出してくれます。
硬い床に比べ柔らかいので安心感も生まれます。
例えば赤ちゃんや小さいお子さん、高齢者など足取りに不安がある場合でもコルクマットならツルツルすべることなく、しっかり踏みしめて歩ける弾力性があります。
多少こけてもクッション性から大事には至りにくいですし、デリケートで大切にしたい存在のために使うのに向きます。
さっぱりを保つ調湿性
天然素材の強みはその調湿性にあります。
フローリングで使われるような木や、畳などで使われるい草など、天然素材で無垢のものは特に調湿性に優れています。
調湿性とは空気中の湿気が多い時はそれを吸収して、逆に少ない時は放散してくれる呼吸するような作用のことです。
水に強いが調湿性を備えている
コルクは水には強く、水を吸収して通したりということはありませんが、やはり天然素材なので湿気に対しては調湿性を発揮します。
しかし、コルクマットとなると加工されているので無垢材にはどうしても及びません。
ただ、例えばジョイントマットによく見られるEVA素材ですと一切調湿効果は期待できず湿るとそのままになりベタベタしがちです。
それに比べるとコルクマットは調湿効果を備えているのでベタベタしにくかったりします。
暑い夏の足のベタベタ感を防げる
暑い夏場は汗をかきやすく、足も汗でベタベタと湿りがちですが、さらにその足でフローリングを歩くとフローリングもベタついてきます。
コルクマットだと調湿性からそれも防いでくれます。
高温多湿な日本の夏
また日本の夏の過ごしにくいほど暑い原因が高温多湿であるということです。
つまり湿気がより暑さを不快にさせているのです。
そういった意味からも、コルクマットの調湿効果はありがたい特性だと言えます。
他の特性もチェック
コルクマットの特性には弾力性、調湿性の他にも、防音性と防振性という特性もありました。
今回のテーマとはそれますが、防音性と防振性もコルクマットの便利なところなので、一応簡単に押さえておこうと思います。
コルクマットの場合、例えば歩いたり、物を落としたりといった衝撃や振動を吸収し抑えてくれる特性があります。
これが防振性ですが、このことから、やはり同じ衝撃や振動によって固体を伝わる音を防音してくれもするのです。
つまり応用編とすると、例えばピアノを弾いた時のメロディーの音は空気を伝わる音なのでこれは防音できません。
しかし、打鍵音やペダルを踏みこむ音は固体を伝わる振動音になるのでこれは防音できます。
防音できる音とそうでない音というのがありますが、例えば子供のバタバタ走る音を防ぐにはちょうどいいですし、ピアノでも電子ピアノだったらヘッドフォンを使えるので防音対策に十分だったりします。
さいごに
実は私自身、冬にコルクマットを敷き始めました。
底冷え対策として大いに役立ったのですが、冬のものだという風に思い込んでいた時期があり、暑くなったら片付けるものだとばかり思っていました。
ただ、冬を快適に過ごしながら季節が廻り春が来て初夏が来て暑い夏本番という風になっていく中でも不快感を感じず、片付けのめんどうさも重なってそのまま敷きっぱなしにしていました。
そこでやっと思い込みが晴れていったわけです。
みなさんの中にも私のように思い込んでおられる方も少なからずいらっしゃるのではと思い、あれこれ根拠を調べまとめることにしたわけです。
「そんなこと知ってたよ!」
という方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな方にもこの記事でコルクマットの魅力を再認識していただけたら幸いです。
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