「赤ちゃんにも安全」が売り文句になっているようなコルクマットはたくさんありますが、それが具体的にどのポイントを指しているのかというのがはっきりわからないことも多いです。
ですので、今回はそのあたりのポイントをはっきりさせていこうと思います。
そのポイントさえ押さえられたなら、本当に安全なものを見極めることができるでしょう。
目次
①コルクマットの素材の安全性
まず、コルクマットの安全性のポイントとして一番にあがるのが、その素材自体についてでしょう。
例えば、最近では、住宅の建材に使われている塗料や接着剤などの化学物質が問題になっています。
シックハウス症候群や化学物質過敏症の他、アレルギーやアトピーにもその影響がみられることがあるようです。
赤ちゃんは有害物質に対しての感受性が高いので、そういったことに敏感になっておられる親御さんも多いことと思います。
しかし、実は有害物質に関しては、住宅建材だけでなく、身の回りの様々なものにも注意が必要になります。
コルクマットについても、もちろん例外ではありません。
コルクマットの構造
まず、コルクマットの安全性を説明しやすくするために、その構造から確認しておきます。
コルクマットは勘違いされることも多いのですが、100%コルクだけで作られているものはそれほど多くありません。
ほとんどのコルクマットが厚みのあるPEやEVAなどの合成樹脂に薄いコルクシートが貼り付けられている構造になっています。
このような二重構造のものがほとんどなので、今回はこちらのタイプについて説明していきます。
コルクの安全性
コルクマットに使われるコルクシートはコルクガシという木の樹皮になり、自然素材なので有害物質の心配はありません。
しかし、これをシート状に加工する時、コルクを粉々にして接着剤と混ぜて成型加工されます。
まず、気になるのがこの時使われる接着剤だったりします。
コルクシートに加工する工程は、コルクの最大の生産国であるポルトガルでも行われますが、他の国でもコルクだけを仕入れて行われていたりもします。
日本製のコルクマットでも、その加工から行われているものも少ないですがあります。
また、コルクシートとその下の合成樹脂を貼り合わせる際にも接着剤が使われたりします。
やはり、それも外国であったり日本であったり色々でしょう。
一般的に赤ちゃんなど子どもに対する安全基準は、ヨーロッパの方が厳格なことが多いです。
国際的な規格ももちろんあるにはありますが、全てのものがそれに則られているわけでもないでしょう。
このことについて詳しく書かれているような商品は少ないので、一般の私たちが知ろうと思うとそのメーカーに問い合わせる他ありません。
検査結果が判断の目安になる
どこで、どんな接着剤を使われているのかというのを知るのは難しいのですが、その懸念に対応するのが検査の結果です。
例えば下のコルクマットの場合どうなっているのかを見てみましょう。
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このコルクマットでは第三者機関において、JISの規格に準拠した検査を行うなどの対策がとられているようです。
その結果ホルムアルデヒドに代表するような7つの有害物質などが検出されなかったということで安全性が証明されています。
合成樹脂の安全性
コルクシートの下の合成樹脂についても化学製品になるので、やはり有害物質の心配があるでしょう。
先ほど例に出したコルクマットでは安全性に関してやはり上の画像のような結果が出ているので、それほど神経質にならなくてもいいかもしれません。
また、このコルクマットに使われている合成樹脂はPEと言います。
PEは食品のタッパーなど身近なところで使われていることの多い、皆さんにもなじみのある素材だと思います。
この素材はたとえ燃やしてもダイオキシンが発生しません。
環境にも優しい素材になります。
②コルクマットの厚さにまつわる安全性
コルクマットにはクッション性、防音性、断熱性などがありますが、厚さが増すとそれらの効果も上がります。
赤ちゃんがはいはいをしたり、歩けるようになったりして動き回るようになると、こけたりして頭を打ってしまうような場面も増えます。
そうなるとよりクッション性のある極厚のものをという発想になるのではと思います。
レギュラーのもので1㎝前後の厚みになりますが、極厚とか厚手と言われるもので2㎝前後の厚みになります。
極厚で確かに赤ちゃんの転倒の際の安全性は高まりますが、逆に転倒の機会を増やしてしまう場合もあったりします。
コルクマットを一部分にだけ敷く時は注意
例えば、極厚のコルクマットをリビングの一角にだけ敷いて、そこを赤ちゃんのプレイルームにしたとします。
そこで、遊んでいる分には確かに安全性は高いです。
しかし、赤ちゃんがそこだけではなくリビング全体を行き来して遊ぶ時、極厚のコルクマットの段差に足をとられて転びやすくなってしまう場合があるのです。
赤ちゃんだけじゃなく高齢者など、筋力が弱く歩行が不安定な場合、数㎝の違いが大変大きくなったりします。
極厚のクッション性も欲しいし、転びにくくもしたいという場合は、できるだけ段差が気にならないように広範囲に敷き詰めるか、壁や家具を使って段差のある辺を少なくするなど工夫するといいでしょう。
③コルクマットの色に関する安全性
コルクマットをフローリングの上に敷かれることも多いと思います。
その時、フローリングの色が同じような色の場合は注意が必要になります。
赤ちゃんはまだ注意力もあまりなかったりするので、同じような色だとコルクマットがあることに気付きにくく、先ほどのような極厚タイプでなくても足をとられて転んでしまう可能性があります。
赤ちゃんだけじゃなく、大人でもうっかりこけてしまうかもしれません。
この場合は、コルクマットではなくジョイントマットで派手な色のものを選ぶなどして、はっきりとその存在に注意できるようにし安全性を高めるといいでしょう。
④コルクマットの耐熱温度にまつわる安全性
コルクマットはそもそもそれほど高温には強くありません。
しかし、床暖房やホットカーペットの上に敷いて使われる場合もあると思います。
そうすると、使い続けていくうちに反ったり変形したりしてくる可能性があります。
反りや変形が出ると、つなぎ目部分が浮き上がってきたりします。
浮き上がりがあるとそこに足をとられやすくなり、赤ちゃんも転びやすくなってしまいます。
今回例に出しているコルクマットの場合、下のように耐熱試験も行われています。
この試験の結果、耐熱温度が70℃あると言えます。
コルクマットの場合、注意書きをよく読むと「床暖房やホットカーペットと使わないでください。」と書かれているものが多かったりするので「床暖房対応」は大変大きな安心材料になるでしょう。
まとめ
赤ちゃんにも安全なコルクマットを選ぼうという時、有害物質の心配に対していかに安全性が確立されているかということと、こけたりする心配に対してどういった選び方をしてそれを防ぐかということがポイントになります。
有害物質については、メーカーや製造会社、製造国などがそれに対してどういったアクションをとっているかということで安全性を判断するほかありません。
こけたりする心配については、買う側がどうやって選んで、どうやって使うかということで大きく安全性が変わります。
それぞれの家庭で環境も使用状況も変わるので、今回説明したような点に注意して適切なものを選んでいただけたらと思います。