コルクマットはダニに強いとよく言われます。
確かに素材的にはそうですが、「コルクマットを敷いたから、もう心配はいらない!」というわけでは決してありません。
ダニは本当にどこにでもいますし、条件さえ整えば強かろうが弱かろうがどこにでも繁殖してしまう場合もあります。
油断は禁物です。
今回は油断ができない理由と、では実際どうしたらいいのかということについてお話していきます。
まず本題に入る前になぜコルクマットがダニに強いと言われるかということを説明していきますが、実はそのメリットの中にも落とし穴があったりします。
「どこなのかな?」と探るような気持ちで読み進めていただけたらと思います。
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目次
なぜコルクマットはダニに強いと言われるのか
コルクはコルクガシという木の樹皮からできています。
木にはダニやカビ、虫などを近づけない効果を持つものも多いのですが、コルクもそうなります。
コルクにはスぺリンやリグニンなどのダニやカビの繁殖を防ぐ抗菌成分が含まれています。
ですので、その効果からダニやカビに強いと言えます。
ダニが繁殖しやすくなる条件
ダニは高温多湿の所に繁殖しやすいので、日本の気候はまさにそれに当てはまりやすくなります。
高温多湿の他に、エサがあり、さらに隠れられる住処があると繁殖の条件がそろいます。
具体的には温度で20~30℃前後、湿度で60~80%前後で活発になります。
エサとなるのはホコリやチリやカビなどになります。
カビとはよくセットで対策されますが、それもそのはずで、ダニがカビを栄養源にするように、カビもダニの死骸やフンを栄養源にし、悪循環を作るのです。
コルクの抗菌作用では手に負えない場合も
コルクの抗菌作用で確かにダニやカビを寄せ付けにくくはあるのですが、それが100%の効果をもたらすわけではありません。
どうしても悪条件がそろってしまうとダニもカビも繁殖してしまったりします。
他の敷物と比較するとダニに強いと言える
しかしながら、他の敷物と比較するとダニに強いと言えます。
コルクマットと比較して検討されることが多いのが、ラグやカーペットになります。
ラグやカーペットは繊維でできていたり毛足があったりして、ダニが隠れられるところも多く繁殖する条件もそろいやすいのです。
それらと比較すると、コルクマットはそもそも抗菌作用がありますし、隠れるるところも少ないので繁殖しにくいといえるのです。
ただ、ラグやカーペットの中には、このウィークポイントを補えるような抗菌加工を施されたりして、防ダニ効果が高められているものもあるのでこの限りではありません。
他の敷物よりコルクマットは掃除がしやすい
また、やはり、ラグやカーペットと比較しても、コルクマットは掃除がしやすく衛生的に使いやすかったりもし、それがダニへの強さにつながっています。
コルクマットは1枚1枚をパズルのようにつなげて敷いていきます。
ですので、掃除機をかける時でも、簡単にはがしてその下も掃除できます。
ラグやカーペットだと、1枚もので大きく重いので、はがすとなると面倒だったりします。
コルクマットだと、ダニやカビの栄養源となるホコリやチリを掃除するのに、はがしたり敷いたりが簡単でマメに掃除ができるという点が、ダニへの強さにつながるというわけです。
コルクマットは部分的に洗ったり交換したりができる
例えば、悪条件が重なりカビが生えてしまったとしても、コルクマットならできてすぐだったら簡単にふき取ることもできるでしょう。
拭いて取れなければその部分だけはがして、洗面所やお風呂で水洗いもできます。
さらにそれでもダメならそこだけ捨てて新しいものに交換もできます。
これがラグやカーペットだったなら、カビが生えると繊維の中に入り込んでしまって拭きとるのも難しいですし、
洗面所で洗おうと思うとそこだけというわけにはいかず丸々持っていかなければいけません。
取れなくても、そこだけ切って新しいものに交換なんてこともできません。
カビとダニは悪循環を作り繁殖を繰り返していきます。
スッキリ水洗いできたり、それでもだめなら交換できたりするとその悪循環を断ち切ることができます。
コルクマットでも油断ができない理由
ここまでの説明の中で落とし穴は見つかったでしょうか?
一見、いいところばかりに見えます。
しかし、実はダニ対策を思うと油断ができない点がいくつかあるのです。
他の理由とも併せて説明していきます。
コルクマットのほとんどはコルク100%じゃない
コルクマットというと、コルクがそのまま100%使われているイメージを持っている方もいらっしゃるでしょう。
もちろんそういったコルクマットもあります。
ですが、よくお店などで売られているもののほとんどが、厚みのあるEVA樹脂などの上に薄いコルクシートが貼られているものになります。
ですので、それだと、100%のものに比べるとコルクが持つ抗菌作用は低くなるでしょう。
ですから、
「コルクマット=コルク100%=抗菌効果大=ダニに強い」
という認識があるとすれば、そうとも言い切れなかったりします。
ただ、EVA樹脂は抗菌作用があるわけではないのですが、ラグなどに比べても毛足があるわけでもないのでダニの住処にはなりにくくなります。
ですのでEVA樹脂と二重構造のものが直ちにダニが繁殖しやすいというわけでもなく、
100%のコルクのものと比べると効果は少ないけれど、ラグやカーペットに比べると効果があると言えます。
ダニが繁殖しやすいのはコルクマットの下
また、意外と勘違いされがちですが、コルクマットを使っていてダニが最も繁殖しやすいのはコルクマットの下になります。
もちろん条件がそろえば表面にも繁殖しますが、表面は掃除される機会が多いですし、温度にも湿気にも気を付ければ、ダニの繁殖の条件もそろいにくかったりします。
しかし、いくら表面をきれいにしていても、コルクマットをはがしてその下も掃除しなければ、ダニのエサであるホコリなどがたまり続けます。
敷きっぱなしのまま使い続けると、例えば水をこぼしてつなぎ目から下に水が流れ込んだり、寒暖差から湿気をもってしまったりしても、なかなか乾きません。
床と密着しているので温かくなりやすいですし、そうなってくると全ての条件がそろいだします。
コルクマットを敷くのはもしかして畳の上では?
また、そもそもコルクマットを敷くのが和室の畳の上だという場合もあるでしょう。
コルクマットに比べラグやカーペットにダニは繁殖しやすいですが、それは隠れるところが多く住処になりやすいからでしたね。
畳も同じように、住処になりやすかったりするのです。
さらに、先ほど、コルクマットの下はダニが繁殖しやすいということも説明しました。
畳の住処に、さらに、湿度も温度も栄養まで得られやすくなり、よけいにダニの繁殖を促すことになります。
畳の部屋だけじゃなく、やはりカーペット敷きの部屋にもよくありません。
掃除マメにできますか?
コルク100%の抗菌効果の高いものでも、条件がそろうとダニが繁殖しやすくなってしまうでしょう。
条件がそろってしまわないように、特に、コルクマットをはがして掃除することが必要になり、その掃除がしやすさがダニへの強さにつながっているという風に説明しました。
でも、その掃除ですが、マメに行うことができるでしょうか?
マメな掃除を具体的に言うと
マメな掃除とは、例えばコルクマットの表面の掃除は毎日とか2日に1回の頻度で行います。
コルクマットをはがしての掃除も毎日できればいいのですが、なかなか難しいので、週に2回とか1回とかの頻度でできたらいいかなと思います。
掃除機を使ってホコリやチリを吸い取り、さらに硬く絞った雑巾などで拭き掃除もできるといいでしょう。
拭き掃除をした後は必ず湿気がなくなるまで乾燥させてから、また元通りにコルクマットを敷くようにします。
マメな掃除の理想と言えばこんなところかと思います。
コルクマットをはがすのが面倒になる敷き方
コルクマットの表面の掃除は簡単にできるでしょう。
でも、その下をもマメに掃除をしようと思うと、いくらラグやカーペットに比べて掃除がしやすいと言っても、それなりに手間も時間もかかります。
それにも関わらず、さらに、掃除を面倒に感じてしまうような敷き方があったりします。
例えば引っ越しして家具を部屋に入れる前に、あらかじめコルクマットを部屋にピッタリと敷き詰められる場合があります。
まるで床材と同じような使い方です。
そうやって敷くと床の傷が防止でき、いい面もたくさんあります。
で、敷き詰めた後、家具をその上に設置していくのですが、そうすると掃除の時にはがそうにも、その上に重たい家具が載っていたりしてはがしにくくなります。
コルクマットの端っこがちょっと家具で踏まれているだけでもはがしにくくなるでしょう。
また、感覚的にも床材と同じように感じ、はがして掃除するという発想にもなりにくかったりもします。
コルクマットをダニに最強にする方法
すごくパワフルな見出しを付けてしまいましたが、答えは月並みで単純なものです。
コルクマットをダニに最強にしようと思ったら、
「掃除をマメにして衛生的に使う!」
これにつきます。
もちろん天然の抗菌作用も魅力なので、コルク100%のコルクマットを選ぶのもいいです。
ただ、その抗菌作用はあくまで補助的だと考える必要があるでしょう。
それは、掃除ありきで効果を発揮するのです。
ですから、いかにコルクマットを掃除がしやすく衛生的にしやすいように使えるかということがカギになってきます。
実際にコルクマットをどう使えばいいか
つまり、実際には「コルクマットが油断できない理由」で説明したところをうまく解決できる使い方を実行するといいでしょう。
次に箇条書きにしてみます。
- 部屋にピッタリ敷き詰めず必要な部分にだけ敷く
- 大判のものを使って敷いたりはがしたりしやすくする
- 畳やカーペットの上に敷かない
コルクマットをあくまで床材のようではなく、マットとして必要な部分だけに使います。
例えばテレビの前の空間や、ローテーブルの下、子どものプレイスペースなど、そのあたりにだけマットとして部分的に使うのです。
そうすれば簡単に掃除のときにはがせるでしょう。
また、簡単にはがせる工夫として、大判のものを選ぶといいでしょう。
コルクマットには大判にや小判といった1枚あたりのサイズの違いがありますが、できるだけ大きいものを選ぶと同じ範囲に敷くにも枚数が少なくて済み、簡単に敷いたりはがしたりができます。
同時につなぎ目も少なくなるので、その分、ホコリや水分などが下に入りにくくなります。
その他にも、そもそもダニが繁殖しやすい畳やカーペットの上を避けるのも有効でしょう。
どうしても、その上に敷く必要がある場合は、マメな掃除をより一層心掛ける必要があります。
さいごに
ダニじゃなくてもウイルスや細菌でもそうですが、小さくて目にふれにくいものを完全に排除するのは難しかったりします。
細菌でも、抗菌薬で病気が治ったと思ってもまた感染してしまったり、悪いことにさらに薬の効かない耐性菌が現れたりして、イタチごっこのような状態が加速しています。
ダニだって同じで、完全に全てを封じ込めることは難しく、やはり耐性のあるものも出てきているそうです。
結局、どちらにも何が一番効果的かと言えば、定期的に掃除を行ってきれいな状態を保つことに尽きます。
例えば、ボールペンや定規などの文房具ですら抗菌加工が施されている時代になりました。
手洗いの際も強い殺菌作用のある洗剤を使われる方も多いです。
一方で、そういった菌に対する過剰な反応が体の抵抗力を低下させているという見方もあり、
外国ではある種の殺菌成分のある石鹸の使用が制限されていたり、手洗いの際に洗浄剤の使用を推奨されないところもあります。
これは菌の話ではありますが、ダニに対しても同じような見方を当てはめることもできるかもしれません。
コルクマットを使うという時も、あまり神経質になりすぎず、掃除機や雑巾を使った当たり前の掃除で、すっきり清潔にさえしておけばそれでもいいようにも思えます。
ましてやコルクは天然の抗菌作用もあります。
効果はそれほど高くないかもしれませんが、全くないわけでもありませんし、天然なので人体への影響も心配しなくていいでしょう。
アレルギーの問題もあり、すべての方に押し付けることはできませんが、そういった問題がない場合は少しおおらかな視点で考えてみられてもいいかもしれませんね。