コルクマットは防音対策として使われることが大変多いです。
楽器ではエレクトーン以外にも、ピアノやドラム、中でも電子ピアノや電子ドラムなどやはり電気で音を鳴らす楽器に向くかと思います。
まずここですでに「なぜ、電子楽器に向くんだろう?」と疑問に思われた方もいらっしゃるでしょう。
コルクマットをうまく使えれば大変効果的です。
しかし、それはあくまでうまく使えればの話なのです。
防音対策にコルクマットを使おうという時、先ほどの疑問点の他にも、いくつか押さえておくべき点があります。
今回は、実際にエレクトーンに使う前にそれらの点を押さえ、皆さんがより効果的にコルクマットを使えるようになることを目指します。
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目次
まずなぜ電子楽器に向くのかを知っておこう
まず冒頭の「なぜコルクマットは電子楽器に向くのか?」というの疑問ですが、これに関してはエレクトーンにコルクマットを使われる場合、一番理解しておいていただきたい点になります。
なぜ電子楽器に向くのかというと、それはコルクマットで防音効果のある音の種類が限られているからです。
コルクマットは振動音や衝撃音の防音に向く
コルクマットは、振動や衝撃によって固体を伝わる音の防音に向きます。
振動や衝撃自体を和らげることで、それに伴う音も防音できるのです。
ですから子供の走り回る足音や、家の中を歩いたり何かを落としたりといった生活音のなどの防音にも大変向きます。
エレクトーンでは上鍵盤、下鍵盤、足元のペダル鍵盤と3つの鍵盤を使いますが、それらを弾く時の打鍵音の防音に効果があります。
エレクトーンの音色に対する防音効果は?
エレクトーンやピアノでは、鍵盤を指で弾いた音が音色として空気を振動させて伝わり耳にも届きます。
コルクマットは固体を伝わる打鍵音を防音が一番得意ですが、このように空気を伝わる音色やメロディ音に対しては全く防音効果がないわけではないですが、高いとは言えません。
エレクトーンなどの電子楽器はヘッドホンが使える
つまりコルクマットだけでは、エレクトーンから出る一部の音にしか防音効果がないと言えます。
しかし、エレクトーンなどの電子楽器だと、空気を伝わる音に対してはヘッドホンを使うと問題なかったりします。
ですから、特に電子楽器の防音にコルクマットが向くのです。
防音対策は複合的に行われる
ただ、ここまでのことは、コルクマットだけを使った場合に限ります。
エレクトーンやピアノなどの防音対策をする時、多くの場合は、いくつもの対策を複合的に組み合わせて、空気を伝わるメロディー音にも、固体を伝わる打鍵音にも対応できるようにされます。
どうしても、ヘッドホンでは感覚の違いもありますし、耳にも負担がかかってしまう場合もあるので、それなしでも可能な対策が求められるのです。
そこで特に要となるのが遮音、吸音、防振という防音対策です。
遮音とは
遮音とはまさに音を遮ることを指します。音を遮り通さないことです。
遮音により空気を伝わる音の防音対策ができます。
遮音できる素材としてはコンクリート、鉛、石膏、遮音シートの他、遮音性のあるフロアタイル、マット、カーペット、ラグなどがあります。
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吸音とは
吸音とは音を吸収することを指します。
空気や固体を伝わる音の振動を吸収して小さくします。
吸音できる素材としては断熱材でもあるグラスウールやロックウール、ウレタンフォームなどの他、コルクマットにもその効果を期待できます。
防振とは
防振とは、衝撃や振動を吸収したりして小さくして防ぐ方法ですが、それに伴う音も防音できます。
コルクマットでもそういった働きが確かにあります。
ただ、特に防振用として開発されているゴムやゲルなどのパッドやシートと比べると、それほど高い効果があるわけではありません。
防振というとエレクトーンなどの他にも、機械などを設置する時にも検討されますが、一般的に一番イメージされやすいのが地震対策としてではと思います。
その場合は、特に地震対策用ではないコルクマットだと不十分な場合があるので注意が必要です。
実際の防音対策
ここまでを踏まえ実際の防音対策を考えると、遮音効果の高い鉄筋コンクリートの住宅であったり、断熱材としても使われるグラスウールやウレタンフォームなどの建材がしっかり使われて、吸音効果が高められている住宅をそもそも選ぶのが効果的になります。
防音には建物のそもそもの構造による影響が大きいので、一番効果的なのがこの方法になります。
だからと言って簡単に住み替えたりといったことは難しいでしょう。
リフォーム会社にお願いすると、防音性の高い素材を使って一室だけを防音ルームとしてリフォームすることも可能です。
さらに、そこまで高い効果を求めるのは難しくはなりますが、自分でも遮音シートや吸音シート、防振シートなどを使ってDIYで防音ルームを作れなくもないです。
たとえ部屋全体でなくても、遮音性や吸音性の高いフロアタイルやラグ、カーペットなどを使ってできる限りの防音対策するのもいいでしょう。
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自分でできる防音対策としてのコルクマット
ここまでのように、そもそも防音性の高い建物に住んだり、後からリフォーム会社に頼んで防音ルームを作ったりという場合もあるでしょう。
また、さらに、DIYで防音ルームを作ったり、そこまではできなくてもできる限りの防音対策をしたりと、防音の仕方はそれぞれありますし、その効果も色々でしょう。
コルクマットはそんないずれの場面でも、さらに補助的に自分でできる防音対策として重宝するのです。
防音が施された床にも
そもそも防音性の高い建物であったり、防音リフォームが施された床の上であっても、なんとなくその上に直接エレクトーンを置くのは敬遠されます。
何かいい敷物はないかと検討される方も多いです。
その時、コルクマットですとさらに防音効果を期待できますし、エレクトーンを設置することでつく可能性のある床の傷やへこみなども防止できるでしょう。
DIYで防音する時も
自分でDIYする場合には、遮音シートの上にさらにコルクマットを敷き、その上にまたさらに吸音性の高いカーペットを敷いてという風に、幾重にも重ねて使われている方もいらっしゃいます。
コルクマットは大変扱いやすいので、様々な使い方ができるのです。
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コルクマットの扱いやすさ
多くのコルクマットは厚みのあるEVA樹脂などの素材の上に薄いコルクシートが貼りつけてある構造になっています。
EVA樹脂ですとビーチサンダルにも使われる素材で、水にも強い上、大変軽く持ち運びも簡単です。
コルクシートも水に強く軽量です。
小さくも大きくも自在に敷ける
1枚1枚をパズルのようにつなげて敷いていくので、小さくも大きくも自在に敷けます。
ですから、エレクトーンの下だけに敷くこともできますし、部屋全体に敷くこともできるのです。
さらにピッタリと寸法を合わせたかったら、自分でカッターなどを使ってカットもできます。
この扱いやすさがあるので、「ちょっとした敷物が欲しい」という場合でも、「もう少し防音対策を増強させたい」という場合でも、気軽にそれをかなえることができるのです。
傷んだり汚れたりしたらそこだけ掃除・交換OK
また、使っているうちにどうしても劣化してきたり、汚れたりしてきても、その部分のピースだけを外して洗ったり、交換したりができます。
ですので、それを繰り返すといつまでもきれいなままで使えます。
エレクトーンにコルクマットを使う時の注意点
ただ、エレクトーンのように重量があるものをコルクマットの上に置く場合、コルクマットがへこんでしまったりします。
さらに、エレクトーンの重心に偏りがある場合だと、へこみにも偏りが起こりグラグラしてしまう可能性もあります。
そういった心配がある場合は、エレクトーンの脚が接地するところにだけさらに硬めのマットを敷いて偏りが出ないようにするといいでしょう。
さいごに
エレクトーンやピアノなどを設置する時、コルクマットがあると痒いところに手が届くかのように、ちょっとした補助で絶妙な効果が得られる場合があります。
コルクマット自体にも防音効果は見込めますが、それだけで直ちに効果の高い防音ができるというわけでは決してありません。
しかし、他のいくつかの方法と組み合わせて防音を行う時、それらをうまく橋渡しして効果を高めてくれるようなアシスト役をしてくれるのです。
今回はよくあるタイプのEVA樹脂などとの2重構造のコルクマットを例にとりましたが、100%コルクのものもあります。
それだと少し値段が高くなりますし若干硬く感じますが、耐久性が上がります。
傷んだり汚れたりした時に気軽にそこだけ交換したいという場合は比較的安価な2重構造のもので、できるだけ交換もせず長く使いたいという場合は、100%の高価なものでという風な選択の仕方もありかなと思います。
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