コルクマットが特にカビが生えやすいというわけではありません。
そもそもコルクは天然の抗菌成分を含んでいて、ダニやカビの繁殖を抑えることができます。
後で詳しくふれますが調湿効果すら期待できます。
しかし、どうしても敷物ですから悪条件が続いたり重なったりすると、その表面やはがした裏面や床なんかにカビが生えてしまうことがあります。
カビは一度生えてしまうと根絶が難しくなり、表面上はきれいになってもまたすぐに繁殖してしまうなどイタチごっこが続いてしまう場合があります。
そういったことを防ぐために、あらかじめカビないための基礎知識や対策を知っておくのは大変意味のあることです。
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目次
コルクマットがなぜカビるのか?
それではまず最初になぜコルクマットがカビるのかということを知っておきましょう。
カビの繁殖には温度、湿度、栄養、酸素の4つの要素が必要となります。
温度は5~45℃で特に20℃以上になるとカビの活動が活発になります。
湿度は60~80%以上ですが、湿気どころか水滴をもってしまっている場合でも繁殖します。
栄養はホコリやチリ、ダニのフンや死骸などになりますが、塗料なども栄養になることもあります。
酸素は空気中に含まれていますね。
これらの条件がそろうと途端にカビが繁殖しだします。
カビやすい家
例えば日本では昔からある木造軸組の在来工法の家が現在でも多く建てられています。
在来工法は高温多湿であるなど日本の気候や風土の中で培われてきた、日本に合った工法になります。
最近では同じ木造でも2×4工法であったり、柱や梁には鉄骨が使われる軽量鉄骨造や重量鉄骨造、鉄筋コンクリートやさらにそれに鉄骨を加えたRC造やSRC造などもあります。
それぞれの造りや工法によって耐久性や耐震性の他、断熱性や気密性、調湿性などに違いがありそれがカビやすさにも影響します。
高気密高断熱の家は特に注意!
例えば木造の中では2×4工法が高気密高断熱ですし、RC造やSRC造は断熱性は低いものの気密性は大変高いです。
もちろん断熱材の性能や使い方によってはこの限りではありませんし、それによるメリットもありますが、カビの繁殖にとっては高気密性や高断熱性がデメリットになったりします。
気密性が高いと湿気の逃げ場はありませんし、断熱性が高いと外気温と内気温の差が激しくなります。
そういったことから結露が発生しやすくなりカビの繁殖につながります。
高気密高断熱の家にさらにコルクマットを使用するという時はより注意が必要となります。
また、コルクマットだけでなく、ベッドや布団、クローゼットのような収納など家の中のあらゆるものにもその影響は及びますし、
さらに健康をも左右したり、家の寿命にすら深刻に影響する場合もあります。
カビやすい場所
住宅自体の造りのカビやすさの他に、住宅の中でもカビやすい場所というのが存在します。
カビは4つの要素がそろうと繁殖しやすくなると説明しましたが、中でもやはり湿気は特に必須となります。
ですので、湿気の発生しやすいキッチン、洗面所、脱衣所、トイレ、加湿器のそば、窓際、壁際などは特に注意が必要になります。
カビやすい使い方
また、コルクマットの上に直接布団を敷いて寝るなど使い方によってはよりカビが生えやすくなってしまいます。
寝汗や、床と布団との寒暖差から、敷布団やコルクマットやその下の床との間が、湿気どころか水滴を持つくらいビチョビチョになってしまう場合もあります。
さらに、そのままコルクマットを敷きっぱなしで使ってしまうと、よけいにカビやダニの繁殖を促進させてしまいます。
カビない環境作り
カビやすさについて分かったところで、次はいかにコルクマットがカビないような環境を作るかということについて説明していきます。
木の調湿効果を利用する
まず住宅だと木造で無垢の木が柱や梁だけじゃなく壁や床にも使われていると、木の持つ調湿効果で空気中の湿気が多い時はそれを吸収し、少ない時は放散する働きを期待でき湿気対策になります。
実はコルクマットに使われるコルクもコルクガシという木の樹皮からできているので多少調湿効果が期待でき、カビ対策に有効であったりするのです。
他にも無垢の木でできたベッドやタンスなどの家具も調湿効果を発揮してくれます。
ヒノキやキリなど木の種類によっても高い調湿効果を発揮するものもあり、そういった素材の家具などを意識的に選ぶのもいいでしょう。
除湿器や除湿剤などを使う
他にも除湿器や除湿剤などを使って効率的に除湿を行うのもいいでしょう。
除湿器でもリビングに置くような大型のものもあれば、ベッド下やクローゼットなどで使える小型のものもあります。
除湿剤でもボックス型のものやシート状のものなど色々なものがあるので、場所に応じて使い分けられるといいのではと思います。
カビないように清潔にする
コルクマットがカビないように使うために一番大切なのが、いつも清潔にしておくことです。
清潔にしてカビ菌そのものやカビが繁殖する条件をそろえないようにするのです。
コルクマットを敷く前に除菌
コルクマットを敷く前にあらかじめカビないための工夫として、床にいる見えないカビを取り除く方法があります。
その方法として有効なのがアルコール除菌とスチームクリーナーでの除菌かと思います。
アルコール除菌でカビない工夫
アルコール除菌と言えばキッチン用のスプレーを思い浮かべる方も多いかと思います。
キッチン用のスプレーは食中毒などを起こすような細菌やウイルスには十分効果を発揮しますが、カビ菌にはあまり効果のないものもあります。
アルコール除菌や消毒のためのアルコールはいくつも種類がありますが、エタノール濃度に違いが見られます。
カビに効果のあるエタノール濃度は75~80%のようです。
ドラックストアで手に入る消毒用エタノールで80%のものがあるので、それを100均などのスプレーに詰め替えて使用するといいでしょう。
床を掃除機で掃除し、さらに水拭きして乾かした後に、アルコール除菌をします。
コルクマットも掃除機を両面にかけてチリなどを取り除き、軽くアルコール除菌を行います。
どちらも完全にアルコールが揮発したらコルクマットを敷いていきます。
スチームクリーナーでカビない工夫
例えばお風呂に生えるカビも50℃以上の高温のシャワーで根絶させることも可能なようです。
そうカビは高温に弱いのです。
シャワーを床にかけるわけにもいかないので、スチームクリーナーやスチームモップを使い、高温の蒸気で床を除菌するのがおすすめです。
高温スチームだと洗剤などの薬品もいらないので安心です。
床だけでなく、コルクマットの特に裏面も除菌したいところですが、高温の蒸気で裏面の合成樹脂が変質してしまう可能性があり、安易には行えません。
例えば下のコルクマットは耐熱温度が60℃で床暖房にも耐えられます。
自己責任で行っていただく必要がありますが、耐熱温度の高いものに対してだったら、少し離してサッとだけ蒸気を当てるだけでも多少効果があるのではと思います。
その時、決して同じ部分に留まって蒸気を当てすぎないように注意しないといけません。
また、あまり頻繁に行うと劣化につながる場合もあるので、この方法は年に数度くらいに留める方が無難でしょう。
カビないようにきちんと掃除する
やはり基本ですが掃除が大切です。
しかも忘れてはいけないのが、コルクマットもはがしてその下をも定期的に掃除をすることです。
カビが生える条件のうちの栄養はホコリやチリ、ダニのフンや死骸などです。
これらはすぐにたまります。
コルクマットだと、そのつなぎ目からもゴミなどが入り込みやすくなります。
また、さらに、ジュースなどをこぼしてしまうと、つなぎ目から下にまで染みるように流れ込んでしまう場合があります。
そうなるとカビの繁殖のすべての条件がそろいやすくなりますね。
はがしてまでの掃除は面倒にも思えますが、コルクマットなら部分的にはがすこともできるので、少しずつはがして数日に分けての掃除もしやすいです。
定期的にその下をも見る機会ができると、多少カビが生えてしまっていても、早めなら簡単な掃除で根絶することもできます。
ぜひ、行うようにし、できれば先ほども説明したアルコール除菌などカビない工夫をするとより効果的でしょう。
コルクマットが湿ったら乾かす
コルクマットを湿気の多いカビやすい場所で使う時は、ドアや窓を開けてその場所自体の通気を良くしたり、日中はコルクマットをはがして干しておくなどします。
また、ジュースをこぼしたりなど水分がある時はすぐに拭きとり、それでも湿り気を帯びている場合は干すようにします。
他にも、水を使った掃除をした時も完全に乾くまでしっかり干します。
つまり、湿気や水分をそのまま放置しないことがカビないようにするのに大変重要なのです。
カビが取れなくなったら交換
たとえコルクマットにカビが生えてしまっても、初期段階ならとれなくもありません。
しかし、掃除をしてもとれなくなったら、どんどん繁殖していく前にその部分だけ捨てて、新しい清潔なものに交換するといいでしょう。
コルクマットの強みはここにあったりします。
例えば1枚もののラグですと、カビがひどい部分だけ切って交換するなんてことはできません。
コルクマットは1枚1枚をパズルのようにつなげて敷いていくので、汚くなったところだけをピンポイントに交換することで常にきれいな状態を保ち続けられるのです。
まとめ
コルクマットをカビないように使いたいという時、そもそもなぜカビるのかを知っておくと実際のカビ対策が効果的に行えます。
例えば今回、高気密高断熱の住宅がどうしてもカビやすくなってしまうということも説明しましたが、高気密高断熱だと冷暖房の効きも良くなりますし、夏は涼しく冬は暖かく年中快適に過ごせメリットもたくさんあります。
今回は「カビないように」というある一つの視点から見ました。
ですので、総合的に考えた時の判断とは違ってきたりもするでしょう。
全てを都合のいいようにはできませんが、なぜカビるのかを理解していれば、それに応じて今回説明した以外にも様々な方法が取れたりします。
ぜひ、今回の記事を参考にしていただいてさらに効果的な方法を模索していただけたらと思います。
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