高齢者の転倒対策にジョイントマットを敷く時の注意点4つ

コルクマット

高齢者は老化や病気の影響などからどうしても転倒しやすくなったりします。

転倒して頭を打ちつけてしまったり、足の骨を折ってしまったりということも起こり得ます。

それまでは元気だったのに、足の骨折から寝たきりになってしまうというような例もあったりします。

高齢者には運動をして筋力の低下を抑えたり、バランス感覚を保ったり、または、必要なところに手すりをつけたりといったような予防対策とともに、万一こけてしまった時でも大きなケガにつながらないようにと、とれる対策も必要となります。

その対策の中で手っ取り早く簡単に実行しやすいのがジョイントマットなどのマットを敷くことだったりします。

ただ、ジョイントマットなどを使う場合注意しないと、それ自体が転倒の原因となりかねません。

ですので今回はジョイントマットに焦点を当て、その辺の注意点について説明していこうと思います。

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①部分的に敷くと段差ができつまずくことも

ジョイントマットは部屋全体に敷き詰めて使われる場合も多いのですが、必要な部分だけにラグのように使われる場合もあります。

例えば8畳のリビングがあったとして、その半分のスペースの4畳分にだけピッタリと敷いたとします。

するとどういうことが起こるかというとジョイントマットの段差が部屋の中央に1辺できます。

少し置き方を変えて、今度は部屋の中央に設置すると左右の2辺が段差になります。

高齢者は筋力も落ち歩く際も足が上がりにくくなったり、すり足気味な歩き方になったりすることがあります。

ですのでちょっとした段差でもつまずきやすくなってしまうのです。

段差はバリアフリーの考えに立ってもよくありません。

ジョイントマットを使っての高齢者への転倒対策が転倒原因になってしまう代表的な例とも言えます。

それでは部屋全体に敷き詰めては?

それならば段差ができないように部屋全体にジョイントマットを敷けば高齢者の転倒対策になるのではということになりますが、この場合転倒とはまた別の注意点ががあります。

ドアが開かない

ドア周辺にジョイントマットを敷く場合なら部分的に敷く時にもこの恐れがありますが、部屋全体にピッタリと敷く場合は、ドアのところまで敷き詰めることになるので特に注意が必要です。

ドアの高さはもともとある床の高さに合わされています。

ですので床に厚みが出るとドアの下の部分と接触してしまい開けられなくなる恐れがあるのです。

ただ厚さがあればあるほど転倒対策になるクッション性は高くなります。

中には2㎝程の極厚なものまであります。

ただ、極厚の場合だとさらにドアに接触する可能性も高まってしまいます。

1㎝以下やそれ前後の厚みのものも多く販売されているので、必ず床からドアの高さを測ってから、それに適したものを購入するようにしましょう。

ジョイントマットの下の掃除が必要

転倒対策としては部屋全体に敷き詰めるのが一番おすすめなのですが、そうした場合、意外と知られていないのが掃除の仕方です。

部屋全体に敷き詰めると、元々あった既存の床のような感覚になりやすく、ジョイントマットをはがしての掃除をしない方が多くなります。

ジョイントマットはどうしてもつなぎ目があるので、その隙間から下にホコリやチリなどが入り込んでしまったりします。

さらに飲み物などをこぼしてしまってもやはり隙間から下に流れ込んでしまったりします。

ホコリやチリや水分まで下に入り込んでしまうと、ダニもわきやすくなりますし、カビも生えやすくなります。

高齢者は抵抗力も少なくなり病気を抱えている人も多かったりします。

ダニやカビはアレルギーや病気の原因としてよく知られており、高齢者の健康維持のためにははがしての掃除をマメに行いたいところです。

もちろん、中にはジョイント部分がより密着するようになっていたりなど下が汚れにくいのもあります。

ただ、基本的にははがしてその下も掃除した方がいいと考えておく方が衛生的でしょう。

その下も掃除するという意識さえ持てば、ジョイントマットは部分的にもはがしやすく、少しづつはがしたりして比較的簡単に掃除しやすかったりします。

②水分で滑りやすくなり転倒の原因にも

高齢者が足を取られやすいのにさらにジョイントマットの上に水分があり、それに気付かないでいると滑って転倒してしまう可能性があります。

多くのジョイントマットはEVA素材など、水にも大変強い素材が使われています。

ですので、例えばジュースをこぼした場合でも、タオルのような繊維の上でしたらそこに吸い込まれますが、EVA素材の場合拭き取るまでこぼしたままになります。

拭き取るとすぐに水分を拭き取れるのですが、水に強い分、吸収は望めないのです。

しかし、ジョイントマットの中でもコルクマットの場合、放っておくと吸収とはいかないまでも表面が多少吸います。

もちろんすぐ気付いて拭いたならほとんどそういうことはありません。

濡れた時の滑りにくさでいえばコルクマット

コルクは天然素材の中では特に撥水性に優れた素材で、ワインの栓などにも重宝されることは有名ですし、水を通すということはまずありません。

ですので、コルクマットは水回りでもよく使われているのですが、水回りでの使い勝手の良さはその滑りにくさにもあります。

お風呂マットにもコルク製のものが使われることもあるくらいです。

コルクの表面には細かい凹凸が無数にあり、それが摩擦になったり吸盤のようになったりして滑りにくくなるのです。

③浮き上がりにつまずいて転倒の恐れも

ジョイントマットの浮き上がり問題も高齢者の転倒対策には耳の痛い問題です。

浮き上がったところに足を取られて転んでしまえば何のために敷いたかわからなくなります。

もちろん品質にもよりますが、劣化してきたり、湿気などの影響で反りやゆがみが出て、つなぎ目部分が浮き上がってきてしまう場合があります。

特に2つの素材が張り合わされているようなコルクマットでは、湿気や劣化に対する反応がそれぞれの素材で違ってきて、それが反りなどの原因となったりします。

1つの素材のものでもどうしても使っているうちに同じようなことが起こりかねず、ジョイントマット全体の課題とも言えます。

品質の良いものを選ぶ

一口にジョイントマットと言ってもその品質はピンからキリまであります。

はっきりと良く分からないような素材で、やたら安いというものの中には特に反りやゆがみが出やすいものがあったりします。

できるだけしっかり作られているものを見極めて選ぶ必要があります。

厚めで大判のものを選ぶ

一般的に浮き上がりの心配に対しては厚さがあって大判のジョイントマットが選ばれます。

極厚と言われるもので2㎝ほどの厚さがあることは最初の方にもふれましたが、厚みがあるとジョイント部分がしっかりかみ合う面積がその厚さ分増えるので外れて浮き上がりにくくなります。

しかも厚みが増すとクッション性も増すこともふれました。

大判のもので60㎝×60㎝というものもあります。

大判になればなるほど、つなぎ目が少なくなるので浮き上がりにくいですし、ジョイント部分もしっかりかみ合いやすくなります。

どうしてもならテープを使うことも

ジョイントマットを床に両面テープで固定していしまうという方法もあるのですが、これをしてしまうとはがしてその下を掃除するのが難しくなり不衛生になりかねません。

また、はがす時に床自体を傷めてしまいかねず、特に賃貸住宅には向かないでしょう。

他にも、ジョイントマットの裏からそのつなぎ目にテープを貼るという方法もあります。

しかし、これをしてしまうと、一部分だけとって掃除したり、そこだけ洗ったり、また、交換したりというジョイントマットのメリットが活かせなくなります。

④畳の上に敷くのはおすすめできない

畳はいぐさを始め天然素材が多く使われています。

無垢の天然素材ならではの湿気の吸放湿作用もありますし、フローリングに比べても弾力もあり大変優れた素材です。

高齢者にも優しくそのままでも便利に使えることと思います。

畳の保護にとジョイントマットを検討される

高齢者は歩行器が必要になったり、食事や排泄などに介助が必要になってくる場合もあります。

畳を傷めたり汚したりしたくないとか、手入れのしやすい状態にしておきたいということでジョイントマットなどを検討される方も多いです。

ジョイントマットで畳にふたをしてしまう

ただ、ジョイントマットは水も通さないような素材のものが多いです。

コルクマットでも表面はコルクで裏面はEVA素材というものが多かったりします。

ですのでそういった素材を畳に敷くことで、畳の優れた機能にふたをしてしまうことになります。

ダニとカビの巣窟になりやすい

畳の上にジョイントマットでふたをし、さらにジョイントマットの間からホコリやチリ、時には水分などが入り込んでくると、湿気の吸放湿も阻害されている畳はかっこうのダニの住処になってしまいます。

ダニの死骸やフンなども増えるとカビの栄養も増えることになり、カビが繁殖しやすくもなります。

対処法もあるけれど

ちょっとしたラグやジョイントマットを部分的に敷くならそう問題はないでしょうが、全体に敷き詰めるとなるとこれらの傾向が強くなります。

ジョイントマットを全体に敷く場合でも、定期的にはがして掃除ができるならばこの限りではないのですが、フローリングに比べてもやはり畳の方が不衛生になりやすいということを意識しておく必要があります。

さいごに

高齢者の転倒で多くの場合フローリングの硬い床を案じられています。

居室にも寝室にも洗面所にも廊下にもと、家の危険個所どこにでも対応できるようなマットを探すとなると一番大変になるのが寸法です。

ピッタリのものを探すのは難しかったりしますし、オーダーで作ったとしても意外な所の柱が出っ張ているなどで、ぴったりおさまらないというのはよくあることです。

ジョイントマットだと、自分で簡単にカットもできますし、狭いところでも広いところでも変形したところでもどこでも使いやすいというのが大変魅力です。

冬の底冷えなんかにも効果があるので、高齢者の体にも負担が少ないでしょう。

あらかじめ今回説明した注意点に気を付ければ、より最適なジョイントマットが選べたり、よりよく使えたりということが可能になるのではと思います。

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