コルクマットというと、特に使ったことのない方は100%の天然コルクのものを思い浮かべるのではないでしょうか?
ワインの栓にも使われる、あの柔軟性があってどこかおしゃれな感じの素材がそのままマットになったようなイメージです。
しかし、実際によく販売されているコルクマットは表面がコルクで裏面がEVA樹脂などの二層構造になっているものがほとんどで、100%コルクで作られているものは大変少なかったりします。
それぞれに特性がある
マットに限らず家具でもなんでもやはり100%の天然素材というのはやはり格上というか高級なイメージがあります。
だからと言って、二重構造のものが単に格下とも言えず、ならではの特性が活かされる場面もあります。
今回はそれぞれの特性を知り、それを比較することで選ぶ時の参考にしていただけたらと思い記事を書くことにしました。
それぞれの特性をよく知る上で大事になってくるコルクの基本から説明していきます。
コルクマットの作られ方
コルクはコルクガシという木の樹皮の表面を削ったものになります。
まずはそれを使いワインなどのコルク栓が作られます。
この栓はコルクを無垢のそのままで使い形だけくり抜いて作られます。
そうしてたくさんの栓ができるとくり抜いた後の端材もたくさんできます。
その端材からコルクマットが作られます。
端材はさらに細かく砕かれ接着剤とまぜてコルクマットなどに成型されるのです。
コルク100%とは
つまりコルクマットでコルク100%とは無垢材ではありませんが、成形され加工されたコルクの天然素材だけで作られているコルクマットというわけです。
コルクの天然素材の特性
コルク100%のコルクマットと二重構造のものだとコルクの厚さには違いがありますが、両方とも天然素材が使われているということに変わりはなかったりします。
コルクの天然素材は成形加工が施されており、無垢のものに比べると若干自然の風合いは落ちるでしょう。
しかし、小さな穴が無数に開いた多孔質の特性をしっかり持っており、さっぱりした肌触りや、クッション性、保温性、断熱性、防音性、調湿性などを望むことができるのです。
また特筆すべきは、コルクは水への耐性が高いというところです。
水分は通さないけれど湿気は吸収したり放散したりができます。
コルクの厚さによる違い
厚さがあるということはそれだけコルクの細かい穴も多くなりますし、例えば衝撃を受けてもそれを受容する部分が多くなります。
同じことが防音性や保温性などにも言えます。
ですので、性質の効果は厚さがあればあるほど高くなると言えます。
EVA樹脂の作られ方
一方でEVA樹脂はというとエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂と言い、名前の通りエチレンと酢酸ビニルを共重合して作られた合成樹脂になります。
中でも大きくポイントになるのが酢酸ビニルの含有量で、これが増加すると柔軟性などが増し、減少すると剛性などが増します。
コルクとEVA樹脂の二重構造はどうやって?
コルクとEVA樹脂の二重構造のコルクマットですと、多くの場合コルク100%のものより薄いシート状のコルクとEVA樹脂が張り合わされている形になります。
EVA樹脂の表面に薄いコルクが張ってあるといった方が的確かもしれません。
張り合わす際には接着剤が使われたり、特殊な樹脂が使われるなどしてくっつけられます。
この時どういう接着方法がとられ、接着剤や樹脂がどういったものであるかによって安全性に開きが出ることがあり注意が必要になります。
例えば安価で品質の悪いものになるとツンとした異臭があったりする場合もあります。
EVA樹脂の特性
コルクマットで使われるようなEVA樹脂は柔らか過ぎず硬すぎず適度な弾性を持っていて、それがクッション性や防音性、断熱性などにつながります。
硬さが増すとへたりにくくはなりますが、ただ、実際は硬さや品質は色々あるので、ものによれば早くへたってしまう場合もあります。
また、やはり特にEVA樹脂のポイントになるの特性も水への耐性の高さですが、EVA樹脂はコルクよりもさらに高くなっています。
ただ、調湿性は望めません。
コルク100%とEVA樹脂と二重構造
コルク100%のものとEVA樹脂と二重構造のものでは価格に大きな違いがあります。
やはり二重構造のものの方が低価格で手に入ります。
しかし、コルクとEVA樹脂では天然素材と合成樹脂ということですが、どちらもクッション性、防音性、断熱性などを持ち合わせていますし、水にも強いということで、同じような用途で使うことが可能だったりします。
ですので、コルク100%のものでもEVA樹脂と二重構造のものでも使い心地や肌触りは大きく違いがみられないようにも思えます。
しかし、ここまでで下の5つのように気になる点があったかと思います。
①どちらも無垢材ではなく接着剤で形成されている
②二重構造のものはさらに張り合わせるための接着剤などが使われている
③コルクよりもEVA樹脂の方が水への耐性が高い
④コルクには調湿効果があるがEVA樹脂にはない
⑤EVA樹脂はものによってはへたりが早い
なかなか無視できないこれらのことがポイントになります。
①どちらのコルクも無垢材ではなく接着剤で形成されている
コルク栓の場合は無垢材で作られていることが多いので接着剤の心配は少ないですが、コルクマットの場合はこの限りではないということは説明しました。
正直その安全性については詳しく書かれているものが少なかったのですが、そもそも輸入の際に国際的な機関での厳密な検査が行われ、その基準をクリアしているようなものも多かったりします。
また、独自に第三者機関での検査を実施していたりしているメーカーもあり、そういったことが行われ示されているかどうかが安心材料となるでしょう。
EVA樹脂にもかなり安全なものがある
接着剤にことを考えると、素材の安全性については天然素材ではないEVA樹脂の方に軍配が上がる場合があるかもしれません。
EVA樹脂はガムの基盤となるガムベースに使われていることもあり、食品衛生法をクリアできるような素材でもあります。
すべてがそれに適合しているというわけではありませんが、下のコルクマットのように小さなお子さんや大事なペットなどが誤って口にしてしまっても、多少なら問題がないと謳われているものも多いのです。
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②二重構造のものはさらに張り合わせるための接着剤が使われている
EVA樹脂は比較的安心なものが多いものの、コルクシートと張り合わせる際にはさらに接着剤が使われることがあります。
この場合粗悪な接着剤ですと確かに体によくありません。
先ほど紹介したコルクマットだと、SGSの基準もクリアしていますし、乳幼児の使用に対するホルムアルデヒドの検査基準でも不検出という結果が出ています。
このように確かな検査の結果が示されているものを選ぶ必要があります。
③コルクよりもEVA樹脂の方が水への耐性が高い
コルクは表面に凹凸があるので多少濡れても滑りにくく、簡単に拭き取ることもできるので水回りで使われることも多いです。
しかし長時間濡れたままになるとどうしてもシミになってしまったりします。
その点EVA樹脂はそういうこともほとんどなく、そういった意味では100%のコルクマットより水に高い耐性を示します。
ですので、二重構造のものだとよりコルクマットの水への耐性が補強されると言えるのではと思います。
どちらの素材も水で丸洗いできるのも魅力です。
④コルクには調湿効果があるがEVA樹脂にはない
水への耐性は二重構造のものの方が優れる印象がありますが、こと湿気となるとコルク100%のものの方が調湿効果をより発揮できます。
調湿効果とは空気中の湿気が多い時には吸収し、湿気が少ない時には放散する効果ですが、天然素材100%の強みはここにあったりします。
二重構造のものはごく薄いコルクシートのものが多いので、どうしてもその機能が低下します。
⑤EVA樹脂の方がものによってはへたりが早い
EVA樹脂といっても硬さが色々であるということはふれましたが、特に硬かったり特に柔らかかったりする場合はそれがセールスポイントになったりするので、
硬度が記載されているものもあります。
コルクマットの場合は特筆されているものは少なく、硬さに大きな違いがないと思われます。
例えば重いものをEVA樹脂の上に置いていたりしょっちゅう踏みしめたりする場所だと、よほど硬度のあるものでないとへたってしまいEVA樹脂が伸びてぺちゃんこになっていきます。
その点コルク100%のものですと、細かい多孔質のおかげで比較的へたりにくいということが言えます。
どんな使い方に向く?
ここまでで違いがはっきりしてきましたが、それでは一体それぞれどんな使い方に向くのでしょうか?
100%のコルクマットの場合
コルク100%のものですと、天然素材の優しい風合いが強くなりますし、調湿効果も高く、へたりにくいと言えるので、
比較的湿気が多く頻繁に使うところに向くのではと思います。
例えば、ペット対策やキッチン、洗面所などへの使用により適しているかと思います。
値段は高くていいから、より長く使えるコルクマットが欲しいという方にもうってつけです。
EVA樹脂との二重構造のコルクマットの場合
EVA樹脂と二重構造のものですと比較的低価格で手に入ります。
取り扱っている販売店も多く手に入れやすいです。
その分品質に大きな違いがある場合があるのでしっかりチェックする必要があります。
二重構造のものも100%のものと同じような使い勝手もできますし、さらにEVA樹脂は多少舐めてしまうなどしても心配の少ないものも多いので、赤ちゃん対策にリビングなどに敷くのもいいでしょう。
他にも、低価格なので汚れたりへたったりしても手軽に捨てたり交換したりがしやすいです。
つまり、特によく汚すことが想像できるような場合にも向きます。
ですので赤ちゃんばかりでなく子ども対策にもいいでしょうし、大事なペットでも例えばまだトイレトレーニングが進んでいない子犬などがいる場合にも便利に使えたりします。
さいごに
やはりコルク100%のコルクマットは皆さんが抱く印象の通り高級で価格も高かったりします。
しかし、へたりにくく耐久性もあるので、他のクッション性や防音性、断熱性なども損なわれにくいのです。
だからといって必ずしも二重構造のものがすぐ傷んでしまうというわけではなく、品質のいいものを選べれば水にも強いですし、100%のものと同じような性能もしっかり持っているので、より高性能でコスパのいいコルクマットを手に入れることが可能になります。
ただ、品質にはピンからキリまであり、今回紹介したような安心できるポイントの多いコルクマットを見つけるのはけっこう大変だと言えます。
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