コルクマットは同じようなタイプのジョイントマットの中でも昔から根強い人気があります。
弾力のある優しい感触や、天然素材からなる安心感、素朴な味わいのあるデザイン性がその魅力だったりします。
実際に防音、防振、衝撃吸収、断熱などの効果もあり、住宅の様々な悩みにも応えてくれます。
コルクマットは比較的どこでも手に入りやすく、気軽に使われることも多いのですが、注意点を知っておかないと大変困る場合があります。
ですので、今回は実際に買う前に知っておいていただきたい注意点について説明していこうと思います。
初めにチェック項目を並べていき、さらに下に詳しく説明していきます。
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目次
コルクマットの注意点チェック
Q.あなたはコルクマットをどんな風に使いますか?またはどんな生活環境ですか?
①部屋全面に敷くつもり
②敷きっぱなしで使うつもり
③コルクマットの上に布団を敷いて寝るつもり
④水回りに使うつもり
⑤洗濯物を干せるスペースがあまりない
⑥ペットを飼っている
⑦子供やペットが舐めても安心だから使いたい
⑧話し声やテレビの音の防音対策に使う
いかがですか?
いくつか当てはまるものがあったでしょうか?
当てはまったからといって、必ずしもダメだというわけでもありません。
それでは次にそれぞれの注意点を掘り下げていきます。
①部屋全体に敷くつもり
引っ越しの際にあらかじめ部屋全体にコルクマットを敷いておけば、足触りも快適だし、防音にもいいいし、床が傷んだり汚れたりするのも防げていいことずくめのような気がします。
確かに床材としてもコルクは人気があり、少し値は張りますがあらかじめ床に設置しておられるお宅もあります。
コルクマットだとコルクの床材よりずいぶん安く手に入りお得にも思えます。
ただやっぱり高級なコルクの床材とよく売られている低価格なコルクマットとは大きな違いがあり、それこそが部屋全体に敷く場合の注意点となります。
コルクの床材との違い
コルクの床材は普通のフローリングの床のようにずっとそのまま設置し長期間使い続けることを想定されています。
それに対しコルクマットはあくまでマットです。
玄関マットでもキッチンマットでも敷きっぱなしにはせず、定期的に掃除をしたり洗ったりして取り替えます。
一般的なコルクマットも主にそういった使い方が想定されています。
もちろん中には長期にわたって使うのにも適したものもあるでしょう。
ただ、そうなると価格も高額になります。
一般的によく見る廉価なコルクマットはコルクの床材のような長期間敷きっぱなしの使い方には弱いと言わざるを得ません。
コルクマットが梅雨時期に浮き上がる
コルクマットの種類によっては梅雨時など湿気が多く温度が高くなると膨張したり変形したりしてつなぎ目が浮き上がってしまうこともあります。
コルクの天然素材は湿気を吸ったり吐いたりという作用もありますが、その性質は木の中では低い方です。
ですのでコルクは水にも温度にも強いのです。
しかし、特にEVA素材が張り合わせてあるタイプだと湿気が多くなったり高温になったりに対し、2つの素材の反応にばらつきが出てそれが浮き上がりや変形につながるのです。
例えば部屋にピッタリと敷き詰めてある場合、膨張や浮き上がりが起こったらスペース的にその逃げ場がなく、部屋全体がボコボコしてしまいかねません。
もし部分的に敷いていたのなら、浮き上がったとしても範囲は狭いですし、多少膨張があってもスペース的に余裕があるのでそれほど気にならないでしょう。
解決法もあるけれど・・・
注意点を改善しようと浮き上がりなどを防ぐのに両面テープでコルクマットを床に固定する手もありますが、賃貸では難しいですし持ち家でもはがす時に床を傷めてしまわないか不安があります。
つなぎ目を裏からテープで固定するという手もありますが、コルクマットは部分的にはがせるというのがメリットでもあるのにそれがまずできなくなります。
致命的!ドアが開かなくなることも
これは声を大にして言いたい注意点です。
ドアが開かなくなるという致命的な問題が起こることもあるのです。
どうしてもコルクマットは厚みがあるのでドアの下部と接触してしまう場合もあります。
どうしても全体に敷きたいなら、必ずドアの下の隙間の高さを確認し、それに合う厚みのものを選ぶ必要があります。
②敷きっぱなしで使うつもり
①部屋全体に敷くつもりとも関連しますが、部屋全体に敷く場合そのまま敷きっぱなしで使おうと考える方が多いと思われます。
実際そうやって使い続けている方も多く、特に問題なく使えている方もいらっしゃるようなのですが、この使い方は注意点も多く正直おすすめできません。
先ほども一般的な廉価なコルクマットは、あくまでマットとして洗ったり掃除をしたりしながら使うと説明しましたが、それはそうしなければならない注意点が存在するからです。
コルクマットのつなぎ目から・・・
コルクマットのつなぎ目はピッタリ連結されているように見えますが、そのつなぎ目からどうしてもホコリやチリが入り込み、床との間にたまったりします。
使い続けていて反りや変形が出ているならなおそれがひどくなったりします。
ましてや例えばジュースをこぼしたという時、コルクマットの表面だけを綺麗に拭き取っても、つなぎ目からジュースが下に流れ込んでビチョビチョの状態になっていることもあります。
ただでさえ床との間にはホコリやチリがたまるとダニが繁殖しやすくなるのに、さらに水分まであると次はカビまで生えやすくなります。
コルクマットの下が不衛生になると
何かのタイミングで皆さんも目にされたことがあるのではと思いますが、不衛生になったコルクマットの下にはホコリとチリと他に白い粉や黒い沈着物があったりします。
白い粉はダニの死骸も含まれるようです。
黒い沈着物はカビだったりします。
敷きっぱなしにすることでこれらの温床となるのです。
さらにこうなると特に2点の注意点が追加されます。
それは「病気やアレルギーの心配がある」「部屋の修繕が必要になるかも」ということです。
病気やアレルギーの心配
コルクマットを敷きっぱなしにし不衛生になることで、いわゆるハウスダストによる体への影響が出てきます。
例えば喘息など気管支に疾患を持っている方はそれらがひどくなってしまう恐れもあります。
また、肺の病気にも注意が必要になります。
他にもアレルギーになると年中くしゃみや鼻水に微熱、頭痛などに悩まされかねません。
部屋の修繕が必要になるかも
コルクマットの敷きっぱなしでカビが生えてしまうと、そのカビが床の深部にまで繁殖しいくら掃除をしても取れない汚れになってしまったりします。
そうなると床を取り替えることになります。
例えば賃貸の部屋ではこういったことを避けるためにコルクマットを敷いていたはずが、その原因を作ってしまいかねません。
③コルクマットの上に布団を敷いて寝るつもり
ここまでのことを踏まえて次に実際の使い方の注意点になります。
コルクマットは弾力性もありますし、湿気にも強いということで床に布団を敷いて寝るのに適していると考える方もいらっしゃるでしょう。
確かに適していなくもないのですが、重大な注意点があります。
寝汗と温度差で布団に湿気が
人は寝ている時寝汗をかきます。
夏場は暑く多量にかくでしょう。
冬場でも多量の方もいらっしゃいますが、冬場なら寝汗は少しマシになりそうです。
しかし、冬場は布団の中と床下の温度との温度差が激しくなり、それが湿気につながったりもします。
つまり、季節に関係なく特に敷布団やマットレスは湿気を持ちやすいのです。
コルクマットは水に強いから大丈夫!?
でも、コルクマットは水に強いから問題ないようにも思えますが、いくら強いからと言っても湿った状態が続くとコルク自体にカビも生えかねませんし、コルクマットと床との間にもカビが生えかねません。
布団の上げ下げを怠ると
さらに布団の上げ下げを怠り敷きっぱなしにすると、カビの繁殖する速度が上がりすぐにカビが生えだしたりします。
コルクマットの上に布団を敷いて寝るなら、必ず布団の上げ下げとともにコルクマットの上げ下げも行い、それぞれを乾燥させる必要があるのです。
④水回りに使うつもり
水回りに使う場合も注意点の要旨は同じです。
例えば洗面所で水しぶきがちょっと飛ぶくらいなら放っておいてもそれほど問題はないでしょう。
気になるほどの水気でもサッと拭くだけで大丈夫だったりします。
ただ、しょっちゅう同じ場所に多く水をこぼしてしまったり、いつも湿気のある場所に使うとやはりカビの原因になります。
水に強いので、キッチンや洗面所や脱衣所などで使われることも多いです。
うまく換気ができたり、バスマットのように使った後にちょっと立てかけたりして干せたりできるとそのような心配も少なくなるでしょう。
⑤洗濯物を干せるスペースがあまりない
これはコルクマットがビチョビチョになったり、丸洗いした時の注意点です。
絞った濡れ雑巾で表面を拭く程度なら別に干す必要はないですが、水を大量にこぼしたり、丸洗いしたりした時は必ず干す必要があります。
そうでないとやはりカビが生えてしまいかねません。
コルクマットはピースごとにはがせるので一部分だけを洗って干すというのもできるのですが、その干し方に注意点があります。
コルクマットの干し方
普通のマットだとどこかにかけたり、洗濯ばさみで挟んだりして干せますが、コルクマットのように厚みがあり硬さもあるものだと外の壁などに立てかけて干すことが多いと思います。
ただ、コルクマットの場合この干し方だと反りやゆがみ、変形などの恐れがあります。
コルクマットは平坦で風通しの良い日影ににそのまま置いて干す必要があるのです。
大判だと干すのに場所をとる
例えば小判タイプのコルクマットだと30㎝四方くらいの大きさなのでどこにでも置きやすかったりしますが、
大判タイプだと60㎝四方くらいのものもあり、それを置いて干すとなると場所が必要になるでしょう。
さらに、1枚ではなく数枚洗うとしたら、その分だけ干す場所が必要になるのです。
⑥ペットを飼っている
コルクマットはペットを飼っている方にも大変便利に使えます。
フローリングでは滑りやすく危ないですが、コルクマットを敷くと滑りにくくなります。
トイレをうまくできなくてもその部分だけ簡単にはがして洗えますし、汚れがひどくなったらそこだけ新しいのに取り替えることだってできます。
ただ、注意点としては、その子によってはどうしても食べてしまったり引っ掻いてしまったりしてボロボロになる場合があります。
次に詳しく説明しますが、コルクマットの場合、多少舐めたり食べたりしてしまっても問題のないものも多いです。
ただ、すぐにボロボロにしてしまうものを敷き続けることは難しいでしょう。
⑦子供やペットが舐めても安心だから使いたい
コルクはコルクガシという木の樹皮を表面だけはいで作られており、これ自体はまさに無垢の天然なので多少舐めてもそれほど心配はいらないでしょう。
コルクマットは天然とは書かれていたりしますが、それは天然の素材を使われているということであって、必ずしも無垢であるというわけではないのです。
安全性のポイントは接着剤
コルクマットの多くは無垢のワインの栓などをくり抜いた後の端材を粉々にし、それらを接着剤でくっつけて一枚のシート状に加工してあります。
さらに、コルクとEVA素材からなるコルクマットの場合だとそれらをくっつけるにも接着剤が使われます。
接着剤は住宅でもよくシックハウスなどを引き起こし問題になります。
そんな世論もあって、最近では様々な基準をクリアするような安全な接着剤が使われ、多少舐めても問題のないような製品が作られています。
ただ、特に外国製の廉価なものの中には、いまだにあまり良くない成分を含む接着剤が使われている場合もあります。
安全性が示されているコルクマットを
これらのことから、できるだけ検査をしっかり行われ安全性が示されているコルクマットを選ぶ必要があります。
また、EVA素材も使われている場合はそれについても同様です。
⑧話し声やテレビの音の防音対策に使う
コルクマットは防音対策として使われることも大変多いのですが、ここにも注意点があります。
防げる音と防げない音があるのです。
コルクマットで防げる音
防げる音は、例えば足音や何かを落とした音、ミキサーなど家電の振動音などです。
衝撃や振動によって固体を伝わる音に対して防音効果があります。
コルクマットで防げない音
反対に防げないのは空気を伝わる音です。
つまり、話声であったり、テレビの音などにはほとんど効果がありません。
ピアノの音は?
ピアノの音に関してはメロディーの旋律などの防音には効果はありませんが、ピアノを弾く打鍵音やペダルを踏む音は振動系の音になるので効果があります。
ですから電子ピアノや電子ドラムなど、ヘッドフォンを使って演奏できる楽器などには大変効果的に使えるでしょう。
さいごに
コルクマットの使用にはいくつか注意点がありますが、それを知ることでより長所を生かせるのではと思います。
コルクマットには便利な性能がいくつもありますが、何よりもやはりおすすめなポイントはその肌触りです。
サラッとしていて適度にやわらかくて、素足で歩くのも大変気持ちがいいです。
赤ちゃんからお年寄りまで、みんなに優しく寄り添ってくれるでしょう。
また、ナチュラル志向の生活やインテリアが注目される中で、それらとの相性も大変良かったりします。
注意点をしっかりおさえて、優しくてナチュラルでオシャレな空間づくりを楽しんでいただけたらと思います。
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