コルクマットを選ぶ時、「日本製」とか「国産」とか表記されたものを探されることも多かったりします。
確かに、「日本製」や「国産」のものだと品質も安定しているものも多いので、私たちはそれらを単純に「良いもの」であると理解していたりします。
しかし、もしかしたら、それはあなたが求めている意味での「日本製」でも「国産」でもなく誤解されている可能性があります。
今回はそのあたりの解釈をしっかりと知り、どういった点に注意すれば、本質的に「良いコルクマット」と出会えるかということを説明していこうと思います。
目次
「日本製」と「国産」はおおむね同じ
コルクマットだと「日本製」とか「国産」とかはおおむね同じような感じで使われています。
細かくその定義にまで迫ってみると、けっこう複雑で、「え?それでも日本製とか国産とかって言えるんだ」というものがあったりします。
例えば牛肉の表示でも国産牛とか和牛とかその定義が大変ややこしいことが知られています。
牛肉の他の食品になると、似たような言葉でも意味がまた変わったりもしますし、食品の種類によってはさらに特殊な分け方があるでしょう。
これがコルクマットのような工業製品になるとまたまるで違ったり、国によっても解釈は違いますし、消費者の観点からと輸出入の貿易上の観点からでも少しニュアンスが違うなど、実はグレーゾーンが大きかったりするのです。
しっかり知ろうと思うとあまりに広範に及ぶので、私も、全ては理解できていませんが、とにかくコルクマットに的を絞って説明していきます。
コルクマットは「日本製」表記が多い
コルクマットの場合、実際は「国産」と表記されているものよりも「日本製」と表記されているものの方が多かったりします。
はっきりと理由はわからないのですが、誤解が少なくなるような配慮かなとも思います。
「日本製」「国産」の定義で誤解する
普通に辞典で「国産」を調べてみると、「自国で生産・産出すること」というような説明がされています。
「日本製」の場合だと、いわゆる「Made in Japan」ということで、「日本で作られている」「日本で製造された製品である」というのが主だった意味合いだったりします。
後で詳しく説明しますが、コルクマットの場合、加工や製造をしたのがどこであるかが重要だったりするので、「日本製」と表記されているものが多いのかもしれません。
この定義については曖昧で、大変誤解の多いところです。
主に次の3つの解釈があるのです。
①全てが「日本製」
日本にあるものを使って日本でそれを加工したなら正真正銘、「日本製」とか「国産」と言えます。
その製造会社が、たとえ、どの国の企業であってもそれは問いません。
コルクマットでも、たいてい「日本製」という表記があれば、日本のものを日本で製造していると多くの方が思うのではないでしょうか。
②一部「日本製」だけど・・・
実際は皆さんが思われるような解釈ではない場合も多いです。
外国の原材料を使って加工は日本でする場合もたくさんあるからです。
このパターンで「日本製」とか「国産」と表記されているものもたくさんあります。
また、逆のパターンで、日本の原材料を使って外国で加工している場合でも、そう表記されている場合もあるようです。
外国の要素が入りますが、そこまでは詳しく説明されていなかったりして、そのことを知らずに誤解が生まれてしまう場合があります。
ただ、この場合は必ずしも悪意があるわけではありません。
これも後で詳しく説明しますが、コルクマットで日本製という時はこのパターンです。
そもそもコルクマットに使われるコルクは、日本ではほとんど栽培されていません。
ですので、外国から仕入れたコルクを使って日本で製造すると日本製ということになります。
③これはアウトではないのか!?という解釈も
法律を持ちだしたらどんな判断になるのかはわかりませんが、ちょっと「え!?」と思うのが次に説明する場合です。
外国のものを外国でほぼ加工し製造して、検査や梱包のような最終的な作業だけを日本で行っている場合です。
検査はありがたいですが、それだけをもって「日本製」や「国産」と表記するのは不誠実に思います。
そう表記したいがための検査だと取られても仕方ないでしょう。
ましてや、梱包だけなんて言語道断です。
誤解というより、裏切りにも思えます。
ここまでのものは、なかなかコルクマットにしてもないものだと信じたいです。
日本製のコルクマットとは
「日本製のコルクマット」という場合はここまででもふれてきましたが、②の外国のものを使って日本で加工し製造しているものを指します。
ただ、その加工や製造に関しても違いがあったりします。
それを詳しく説明するためにも、まず原材料のコルクについて順番に説明していきます。
コルクのほとんどがポルトガルが原産
コルクはコルクガシという木の樹皮から作られているのですが、コルクガシが群生しているのは地中海沿岸地域になります。
中でも、コルクガシの森林が多いポルトガルを中心にしてコルク産業が栄えており、そのシェアの多くを占めています。
近年では安価に手に入る中国のものもあるようですが、どうしても地中海沿岸部のようにコルクに適した環境ではないようで、品質的には低くなります。
日本でも小豆島の農業試験場などで栽培されており、育たないわけではないようですが、産業になるほどたくさん栽培されているわけではありません。
日本製のコルクマットの多くもポルトガル原産のコルクを使って作られているのです。
コルクの品質の違い
ポルトガル原産のコルクだと品質が高いものも多いのですが、ただ、もちろん、その中でも優劣があることは否めません。
また、安価な中国のものが使われている場合もあるかもしれません。
ただ、原産地がポルトガルだということは、一定の品質の高さを証明にもなるようで、コルクマットの場合でもしっかり「コルク原産国:ポルトガル」というような感じで表記されていたりします。
なんせポルトガルのシェアが大きいので、たとえ何も表記されていなくてもポルトガル原産のものもあると思われます。
しかし、安価なものでさらに表記のない場合は中国原産のものもあるかもしれず、それとの判別はメーカーに問い合わせるしかありません。
どこまで加工して製造しているか
ここまでのように日本製であっても、コルクの原材料は主にポルトガルということになりますが、さらに、それがどの国でどこまで加工して製造されているかということにも違いがあります。
コルクマットの多くは、実は、厚みのあるEVAなどの合成樹脂などの上に薄いコルクシートが貼り付けられているような構造になっています。
もちろんコルクが100%使われているものもあるのですが、ほとんど目にするのが前述のものです。
合成樹脂の製造国は?
コルクシートと張り合わされているEVAなどの合成樹脂については、日本製のものも外国製のものもあります。
ただ、コルクマットの場合、合成樹脂についてよりコルクについて注目されることが多く、取り立てて表記がされているものも少ない印象があります。
詳しく知りたい場合はやはりメーカーに問い合わせるほかないでしょう。
コルクシートをどこで加工し、どこで貼り合わせているか
コルクマットに必要なコルクシートを作る時、ワインの栓などをくりぬくようにして成型した後に出た端材を、粉々にし接着剤と混ぜてシート状に成型加工されます。
さらに、それを合成樹脂と張り合わせる工程もあります。
ここまでの加工がどこでされているかということです。
ポルトガルでももちろん全ての加工をして製品にされてもいます。
「日本製」という場合は、製品としてのコルクシートを日本に仕入れて、合成樹脂と貼り合わせる加工は日本で行われているという場合もあったりします。
他にも、さらに、コルクの端材を日本に仕入れることから始め、日本でコルクシートに加工し、合成樹脂と貼り合わす加工も日本で行われているという場合もあるのです。
どちらの場合も「日本製」と言えますが、後者の方がより日本での工程が多くなります。
なぜ日本製のコルクマットを求めるのか
冒頭にも日本製のコルクマットは品質的にも安定したものが多いと説明しましたが、確かにそういう側面もあり、その信用が、世界でもMade in Japanが競争力を持つ理由でもあるでしょう。
日本に住むものとして大変誇らしかったりもします。
しかし、特に工業製品の場合、原材料から加工、製造に至るまでの全てを日本でだけで成立させるのは大変難しいことなのです。
価格競争も激しいですし、特に製造拠点の多くは外国に依存していたりもします。
原材料も、コルクだけじゃなくても、外国に頼らないといけないものも多かったりします。
外国製が直ちに品質が悪いとも言い切れない
品質だけに絞って考えてみると、一昔前までは、中国製品は品質が悪いというようなことがどこでも言われていました。
いまだにその声も聞こえはしますが、今の世界状況を見ると中国製のものが世界中を席巻してします。
様々な商品にMade in Chinaの文字を見ることができ、私たちの生活の中で完全に省くことの方が難しかったりします。
そんな流れの中、最近では優れたものも出てきているのも事実です。
安全性の規格は外国の方が優れている場合も
商品自体の品質に関しては日本製は誇れるところが多いですが、人体や環境などに対する安全性についてはヨーロッパの方が優れていることも多かったりします。
日本でもかなり厳しくなってはいますが、どうしてもヨーロッパの先進的な規制には遅れをとりがちだったりします。
コルクマットでも、コルクシートを加工する際に接着剤を使ったりもし、そういったものの安全性は気になるところです。
「日本製」は品質を判断する目安の一つとして
様々なものが世界を行きかっている中で、「日本製である」ということはコルクマットにおいても大きな安心材料にはなるでしょう。
しかし、さらに厳密に見ると、原料はポルトガル産など外国産ということははっきりしていますし、製造についてはある工程までは外国製という場合もあります。
日本製が求められるのは原材料ではなく製造についてですが、それも限定的で、全ての工程が日本で行われているのは、ごく一部のメーカーに限られてきたりします。
ただ、そういった詳しい製造状況が説明されていることは少ないので、どうしても正確に詳しく追及したい場合は、そのメーカーに問い合わせる他ありません。
多くの場合、実質的には「日本製である」ということは品質などに対する目安の一つにとどまります。
製造国とともに目安となるのは各種試験結果
「日本製のコルクマット」という時でも、外国でとれたコルクであったり、一部外国で加工したものであったりといった風になったりします。
他にも、コルクマットの中には、本来的な意味での「ポルトガル製」もあるでしょうし「中国製」もあるでしょうし、様々な形で外国製が関わります。
しかし、そのために直ちに品質が悪いとは言い切れません。
また、たとえ日本製の日本のメーカーのものであっても、全ての日本のメーカーが品質の高いものを作っているというわけでもないでしょう。
メーカー独自のチェック体制
もちろん、ものを輸入したり製品を売ったりという時、法令に則った形の検査などもあるようなので、一定以上の品質と安全性が確保されてはいるはずです。
さらに、例えば下のコルクマットは【生産国:中国】とあり、日本製ではありませんが、独自に、SGSという国際的な検査機関や、MGSLという日本の検査機関で、安全性や品質に関する試験を受け、それを証明できたということを明記もしています。
このようにメーカーによれば、その品質や安全性の高さを証明するために、独自に第三者機関において、日本の規格や国際的な規格に則ったような様々の試験を行っており、その結果を公表していたりしているのです。
それも、製造国の表記とともに大きな目安となります。
試験結果が表記されていると意識の高さを感じる
各種試験の結果についてはその商品のウリともなるので表記されていることも多いのですが、表記されていない場合もあるので、気になる時は問い合わせてみるといいでしょう。
必ずしも表記されていなかったら試験がなされていないというわけではありません。
しかし、試験をし、さらに、その結果をどう扱っているかということで、メーカーの意識の高さをうかがい知ることもできたりします。
表記している場合は、消費者に伝えるということを大事にしているとも取れるのです。
また、他にも、表記されていないものの中には、様々なチェックの目をかいくぐってきた品質の悪いものもないとも言い切れないので注意が必要です。
本質的に良いコルクマットを見つけるには
生産や製造をしている国の明記は、品質や安全性を見る際の目安の一つとして大きな役割を果たしますが、それだけではわからないことも多くあります。
それと併せて、メーカー独自にどんな試験を行い、それをどのように消費者に伝えているかという点も大きな目安となるでしょう。
確かに利益にばかり目を向けて、品質や安全性が御座なりになっているメーカーもあるかもしれませんが、そんなメーカーばかりでもないのも事実です。
品質や安全性の高さはメーカーの誇りにもなりますし、多くの消費者を引き付ける魅力ともなります。
日本製のものにはそういった意味でも世界で支持されるものも多く、そういった自国のものを使いたいと当然思ったりもします。
ただ、日本製ばかりでなく、国の垣根を超え、外国製のものにも少なからず良い商品を見つけられるのです。
まとめ
日本で作られたコルクマットは「国産」よりも「日本製」と表記されているものが多いように思います。
どちらも同じような意味合いですが、例えばネット通販でワードを入力して検索する時は「コルクマット 日本製」と入力する方がいいかもしれません。
ただ、原材料であるコルクは日本ではほとんど栽培されておらず流通していません。
ですから、原材料に日本のものを求めておられる方がいたとしたら、そこが誤解となりガッカリするポイントになるかもしれません。
日本製という場合の多くは、コルクシートやコルクマットを加工し製造するのを日本で行っているという意味なのです。
国内でどこまで加工を手掛けているかという所に違いがあります。
日本では全てではなく、限定的な加工しか行われていない場合もあり、人によればそここそが誤解となりガッカリするポイントになる場合もあるでしょう。
ただ、生産や製造がどの国であるかだけで、その真価の全てがわかるわけでもなく、他にも、各種試験結果や、その結果をどう扱い、消費者にどう伝えているかという所も重要な判断材料になります。
うまく真価を見極められたなら、製造国にこだわらなくても品質が良いものを意外に安く手に入れるということも可能になるのではと思います。
他にも、選択には製造国や検査結果だけじゃなく、1枚の大きさが大判であるか小判であるかや、粒子が粗いか細かいか、厚みは薄いか厚いかなど、チェックしたい部分がいくつもあります。
そういった機能的な選択については、使えるコルクマットは選び方一つで決まる!まずここをチェックしてを参考にしていただけたらと思います。