コルクマットはオールシーズン、大変便利に使えたりします。
敷き物の中には冬の寒さ対策に特化されていたり、逆に夏の暑さ対策に特化されていたりと両極端な特徴を持つものも多く、そうなると季節ごとに敷物を換える必要があったりします。
コルクマットも特に冬の底冷え対策に敷かれる場合もありますが、他にも転倒対策にクッション性を求められたり、騒音対策に防音性が求められたり、部屋に傷をつけないためのカバーとして敷かれたりと、季節に関係のない特性を重宝されたりします。
季節によって変える必要がないことで、年中コルクマットの恩恵にあずかることができます。
目次
夏でも問題ないはずです
そうなんです。
夏でも問題ないはずなのです。
問題がないどころが便利にすら使えます。
私は実は以前に、コルクマットは暑い!?いいえ、防寒だけじゃないよいう記事も書いていて、そちらにもを詳しく説明しています。
今回は簡単にだけそもそもコルクマットが夏にも向く根拠を説明していきます。
断熱性で暑さを防ぐ
コルクマットの冬の底冷えを防げるような断熱性は、夏の暑さを防ぐためにも働きます。
断熱性とはつまり、熱の伝わりや移動を断ったり、ゆっくりにしたりする性質を指します。
冬は温かい家の中の熱が寒い外に逃げて冷えてしまわないように、夏は外の暑い熱が家の中に入ってきてしまわないように断熱効果を発揮してくれます。
同時に、冬は暖房、夏は冷房の効きを助けてくれるので、効率良く冷暖房が使えるようになります。
コルクの特性がベトベトを防いでくれる
他にも、夏と言えばなんせ暑くて汗をたくさんかきます。
これについては、コルクマットは汗っかきさんと相性がいいでも説明しています。
汗をかいた素足でフローリングの上を歩くと、ベタベタと感じることも多いのではと思います。
コルクマットはこのベタベタがしにくい敷物だということが知られています。
それは、コルクの特性によるところだったりするのです。
コルクマットの多くは、厚みのあるEVAなどの合成樹脂の表面に薄いコルクシートが貼り付けてあるような構造になっています。
もちろん100%コルクのものもありますが、よくお店などで見かけるもののほとんどは2重構造の物だったりします。
薄いコルクシートでも、十分コルクの風合いを感じることができますし、その特性も活かすことができます。
コルクがベトベトになりにくいのは
コルクはコルクガシという木の樹皮なので、天然木によくあるようなさっぱりとした肌触りで、ベトベトしにくかったりします。
木には調湿効果と言って湿気を吸収したり放散したりする働きに優れているものも多いのですが、コルクにもその性質があります。
また、コルクを顕微鏡で見ると無数の孔が開いています。
これを多孔質と言いますが、コルクはこの性質によって断熱性やクッション性などの様々な特性を発揮します。
さらに、コルクからコルクシートを作る時、砕いたコルクの粒と接着剤を混ぜて成型加工されるので、粒同士がギュッとくっついている状態になっています。
その粒にも大粒と小粒がありますし、密度にも違いがあり、大粒で密度が低くなっていくと見た感じにも粗くなり表面の凹凸も多くなります。
つまり汗をかいたベタベタの足でその上を歩いても、そもそもさっぱりした天然素材ですし、調湿効果もありますし、さらに、孔や凹凸もありいわば点で荷重を支える感じですし、よりベタベタしにくいのかもしれません。
コルクマットは夏の使用にも向いているのですが・・・
ここまで夏にコルクマットを使う時に便利な点を説明してきましたが、さらに、コルクマットを敷くと涼しくさえ感じるような風に紹介されていることすらあります。
それ自体が冷たくなっているわけではありませんが、コルクマットは年間を通して一定の温度を保とうとする性質があるとも言えるので、
暑い日にはそう感じることもあるかもしれません。
このように、大変夏にも向いており、なんの問題もないように思えるのですが・・・
コルクマットの夏に起こり得るトラブル
しかしながら、実際にトラブルが起こったり、不安に思ったりしている方もいるようです。
確かにコルクマットにはウィークポイントもないわけではなく、それが夏に悪く出てしまう可能性も考えられます。
具体的には次のようなトラブルです。
夏になってコルクマットがめくれて凸凹してきた
例えばコルクマットを底冷え対策に使おうと、冬から使い始められる方も多いと思います。
冬が過ぎ、春が来てもなんの問題もなく快適に使い続けられたりします。
そしていよいよ夏が来るわけですが、そんな折にコルクマットの特につなぎ目部分が反ったりしてめくれ、浮き上がって凸凹してきたりする場合があるのです。
そんなトラブルが起こってしまう原因として2つのことが考えられます。
①コルクマットに湿気が影響している
日本の夏は高温多湿です。
コルクマットは実は湿気の影響を受けて反ったり変形したりしてしまうことがあります。
これについては、コルクマットの注意点8つ~買う前に要チェック!~でも詳しく説明していますが、そこでは梅雨時に特に注意が必要なトラブルとして説明しています。
夏のトラブルとしてとらえられるのは、梅雨を経て本格的な夏が訪れますが、特にそのあたりのタイミングや、時にはまさしく高温多湿な夏本番の時期にトラブルに見舞われやすいということではないかと思います。
コルクマットがいかにして湿気の影響を受けるか
ここまでにもふれましたが、
コルクには調湿効果があり、空気中の湿気が多い時は吸収し、少ない時は放散して湿気を調節してくれる働きがあります。
湿気を吸収したり放散したりすることで、膨張と収縮が起こります。
コルクマットはコルクシートとEVAなどの合成樹脂との2重構造になっているものが多いということも説明しましたが、コルクシートはこのような調湿効果を持っているのに対し、EVAなどの合成樹脂はそうではありません。
湿気に対しても多少膨張や収縮もするかもしれませんが、その反応の度合いはコルクシートとはずいぶん違ってきます。
コルクマットは湿気に対する反応がそれぞれ違う素材が貼り合わせてあるので、反りや変形がどうしても出やすくなってしまうという欠点があります。
それでも、まだ新しいうちは大丈夫なことも多いようですが、使い続けて劣化してくると湿気によるトラブルも現れやすくなったりします。
コルクマットを洗う時も注意
同じメカニズムで、コルクマットを水で丸洗いする時にも膨張率に差が出ますし、干して乾いていくときの収縮率についてもやはり差が出てしまったりします。
何回も干して乾かしてを繰り返しすぎると、それがダメージとなってしまう場合もあるでしょう。
②コルクマットに熱が影響している
湿気と同じように、コルクシートとEVAなどの合成樹脂との2重構造であることで、よりトラブルを起こしやすなる原因に熱の影響があります。
これについては、コルクマットを床暖房で劣化を早めないようにうまく使うでもふれています。
熱が原因という場合、かなりの高温であったり、それほど高温でなくても一定以上の温度が継続的に続くなどすると、熱による反応の違いが起きて、反ったり浮き上がってしまったりします。
コルクマットでも床暖房に対応できるほどの耐熱温度を備えているものもありますが、元々EVAなどの合成樹脂はそれほど熱に強い素材ではありませんし、コルクシートを成型加工する時に使われる接着剤にしても、熱に弱いものもあったりします。
熱が問題になるのは、床暖房や電気カーペット、こたつなど冬の電化製品が多かったりします。
夏の炎天下にコルクマットをさらすと
夏に熱によるトラブルが起きるとすると、一番可能性として起こりやすいのが、コルクマットを洗って干す時ではないでしょうか。
水で洗ってその後乾かすことでも膨張率や収縮率の違いからトラブルが起きやすくなることは説明しましたが、そもそも、そのリスクをまずはらんでいます。
さらに、日差しの強い夏に、直射日光にさらして乾かしてしまうと、コルクマットが高温になりすぎて、熱が原因となって反ったり変形したりしてしまう可能性もあるのです。
他にも、夏で考えられるのは、部屋の中でも直射日光が当たる場所に敷いていたり、車の中に放置してしまったりしてもその可能性があるでしょう。
夏のコルクマットのトラブルを防止するには
ここまで、夏に起こり得るコルクマットのトラブルとして湿気によるものと、熱によるものを説明してきました。
これらのトラブルはそれぞれの環境やコルクマットの状態によっても大きく変わってきたりして、ひどく変形が出てしまう場合もあれば、特に気になるような変化が見られないような場合もあるでしょう。
ただ、一般的に言えることとすれば、湿気による場合はまた元通りに戻せる可能性もありますが、熱による場合はそれは難しかったりします。
そのあたりのことや防止方法について次にそれぞれ説明していきます。
①湿気によるトラブルに対して
湿気による場合は、すぐに対応できればそれほど気にならないほどに解消する場合がありますし、放っておいても湿気の多い梅雨時や夏を過ぎれば、それほど気にならなくなるまでにおさまる場合もあるようです。
ただ、同じように放っておいたとしても、場合によるとそのまま直らなくなってしまうこともあるようですし、そもそも反りや変形の程度がひどいとすぐに対応しても直らなくなってしまう場合もあるでしょう。
湿気に対しては除湿器などの除湿グッズを使っての対策も有効ですし、しょっちゅう丸洗いをするとどうしても膨張と収縮を繰り返して反りを起こしてしまう機会が増えるので、そんなにしょっちゅう洗わないようにするなどの対策もできます。
他にも、コルクマット自体にもできることがあります。
コルクマットにできる対策
例えば、コルクマットを床にしっかり貼り付けておくことができたなら反ることはないので凸凹もしないでしょう。
ただ、コルクマットは貼り付けてはがせなくなるような使い方にはあまり向きません。
はがして洗ったり、その下も掃除をしたりすることができることなど、はがせることが大きな魅力だからです。
ですので、安定もしてはがせもする方法として、床に貼り付けるよりも、コルクマットのつなぎ目を裏面からテープで固定する方法をおすすめしたいです。
こうすることで、簡単に反り返ってつなぎ目が浮き上がるのを防げますし、はがすこともできます。
広範囲に広く敷き詰めている場合は、ブロックごとに分けて数枚ずつのつなぎ目をテープで固定すると使い勝手もいいでしょう。
長く使っていて劣化がある場合は特に、梅雨や夏が来る前に準備しておくといいのではと思います。
②熱によるトラブルに対して
一方、熱による場合は、熱によって素材が劣化してしまった結果、反りや変形などが起こってしまうので、一度劣化したものはなかなか元には戻せず、反りや変形が解消することはほとんど期待できなかったりします。
ですので熱に対しては予防が大事になります。
膨張と収縮のことを考えると、コルクマットを丸洗いすることも最低限に控えることが有効ですが、それでも丸洗いするとなった時は、干し方に注意をするといいでしょう。
必ず風通しのいい日陰に、水平に干すようにします。
まず、直射日光を当てないようにするのです。
水平に干すというのは、膨張や収縮に対しても有効な干し方になります。
立てかけて干すとどうしても偏ってしまって反りや変形が出やすくなるので、水平なところにそのまま置く感じで干すといいでしょう。
とにかく、夏の強い日差しや熱を避けます。
コルクマットを車で買いに行って、うっかり車から降ろすのを忘れていたなんてことのないように注意しましょう。
どうしても直らなかったら交換
コルクマットのようなジョイントマットは、1枚1枚がはがせるので、夏のトラブルで反りや変形が出てしまったところがあったとしても、そこだけを新しいものに交換することもできます。
ジョイントマットの強みははがせることにあるとも説明しましたが、しかも、1枚1枚をはがして交換が可能な所も大きな強みと言えます。
まとめ
コルクマットは夏に使ってもさっぱりして大変使い心地も良く、冬には底冷えも防げますし、オールシーズン大変重宝するので、転倒対策や防音対策に敷物を探している方にもよく選ばれます。
メリットが多いので、トラブルとは無縁のようにも思えますが、今回説明したような湿気や熱によるトラブルが起こらないとも限りません。
多少反りが現れても気にならないような場合がほとんどで、そういった方は今回の記事を目にすることなく、普通に使い続けておられることと思います。
もし、気になるほどの夏のトラブルが起こるとしたら、可能性として高いのは湿気によるものでしょう。
熱によるトラブルは、床暖房やこたつなど冬の方が多いような印象があります。
どちらにしても、手をこまねくばかりではなく対策もあるので、うまくトラブルを避けることもできます。
ちょっとした方法や心がけでコルクマットの寿命が延びるので、ぜひ実行していただけたらと思います。