コルクマットを床暖房で劣化を早めないようにうまく使う

コルクマット

コルクマットでも床暖房と併用できるほどの耐熱温度を備えているものもあります。

そういった商品は「床暖房対応」といった表記がされていたりします。

こう表記されていたら安心して使えるでしょう。

しかし、安心だということで、思い思いに使っていると劣化が早まって浮き上がってきたりする場合もあります。

実際に、「使っていたら反ってしまった」というような声も聞こえてきます。

ただ、それには個人個人の使い方が大きく影響するのです。

人によれば何の問題もなく長く使っておられる場合もあります。

では、一体どういった使い方をすればいいのでしょうか?

今回はコルクマットと床暖房を併用する時、コルクマットの傷めにくく、寿命をできるだけ伸ばせる方法を説明していきます。

コルクマットの耐熱温度の試験方法

まず、そもそも耐熱温度を調べるのにどういった試験が行われているかを知りましょう。

例えば、↓のやさしいコルクマットを例にとってみます。

これだとMGSLという検査機関でJISの耐熱試験を準用した検査の結果、60℃の耐熱温度があるということが証明されています。

具体的な試験方法はジョイントマットの上にこたつって大丈夫?いう記事の、「耐熱温度はあくまでめやすとして考える」という見出しの章に書いているので、ここでは簡単にだけ説明しておきます。

要は、コルクマットを検査したい温度に1時間さらし続けて、その後30分放冷した後に変形や反りなどがないかを目視で検査するといった方法です。

試験では一定の温度にさらされるのが1時間ですが、実際に床暖房を使う時は長時間使い続けることがほとんどでしょう。

また、冬のワンシーズンに使い続けるので、数ヵ月と長期間にわたるでしょう。

しかし、なかなかそこまでの検査は難しかったりします。

他にも、独自でもう少し突っ込んだ検査をされているかもしれませんが、そこはちょっとわかりません。

ただ、何も耐熱試験が行われていないよりかはずいぶん安心材料になることは確かです。

床暖房の温度

床暖房の温度については、一般的な見解だと表面温度が20℃~45℃とされています。

ですので、コルクマットに60℃の耐熱温度があるならば、床暖房の最高温度とも15℃も差があるので十分だと言えます。

しかし、コルクマットをその上に敷いて使用する時、熱の蓄積が思わぬ高温になる場合もあるかもしれません。

また、高熱ではなくても、低温がジワジワと長時間、長期間にわたって続くことも、コルクマットにとってのダメージにならないとも限りません。

コルクマットの浮き上がりは劣化が原因かも

実際に「床暖房対応」と表記されたコルクマットを使っていらっしゃる方で、そんなに長く使っていないのに、つなぎ目が浮き上がってきたというケースもあるかと思います。

「コルクマットってこんなものなのかな」とあまり気にせず、浮き上がったところを足でグッと踏み込んでしのいでいる方もいらっしゃると思います。

実はその浮き上がりこそ、熱による劣化が原因かもしれません。

他にも、コルクマットの場合湿気の影響も受けやすく、梅雨時などに一時的に浮き上がりが見られる場合があります。

その場合は湿度を調整したり、梅雨が終わったりしたら元通りになる場合もありますが、一度反りが出てしまうと癖がついてしまって、反りが残ってしまう場合もあります。

一方、劣化による場合だと、元通りになることはまずありません。

劣化の原因にしても色々考えられます。

しょっちゅう踏む場所や、重たい家具を置いているような場所は、その荷重によって劣化が起こりペシャンコに薄くなって劣化を起こします。

長く使うことによる経年劣化も起こるでしょう。

コルクマットの熱による劣化

様々な形で劣化が起こりますが、床暖房で考えられるのはやはり熱による劣化です。

この場合、どういうことが起こっているのかを説明していきます。

コルクマットは意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、素材に100%コルクが使われているものは少なかったりします。

ほとんどのコルクマットで、厚みのあるEVAなどの合成樹脂の上に、薄いコルクシートが貼り付けられている形になります。

つまり、異素材の2重構造となっているわけです。

この点についてはコルクマットの上にこたつって大丈夫?でも詳しく説明しているので、ここでは簡単にだけふれておきます。

それぞれの素材で違う反応

コルクマットはコルクとEVAなどの合成樹脂が一つに張り合わされていますが、そこに熱が加わる時、コルクとEVAなどの合成樹脂とはそれぞれ違った反応をします。

つまり、熱によって縮んだり伸びてしまったりという反応の度合いが双方で違うのに、しっかり貼り付けてあるので反りやゆがみが起こってしまうのです。

2重構造になっているものは特にこういった理由で劣化を起こしやすいのです。

熱はコルクシートの接着剤にも影響する場合も

また、コルクシートに加工する時、コルクを砕いたものに接着剤を混ぜて成型加工されます。

この時使われる接着剤には熱によって軟化し、不安定になってしまうようなものもあります。

床暖房の温度で不安定になることはそうないかもしれませんが、全くないとも言い切れません。

また、逆に、熱によって硬化するものもあるのですが、どれにどのような接着剤が使われているかを知るのは大変難しかったりします。

コルクマットはそもそも床暖房にはあまり向かない

ここまでのことから、コルクマットはそもそも床暖房にあまり向かないということがわかっていただけたかなと思います。

「床暖房対応」と表記されて耐熱温度が示されているような場合は、しっかり試験が行われているのをうかがい知ることができ、確かに安心材料にはなります。

しかし、個人個人がどのような頻度でどのような使い方をするかということまでを、一律に検査することはまず難しいですし、長時間、長期間にわたる使用がどういったダメージをもたらすかというのも然りです。

特にコルクマットは異素材同士が貼り合わせてあるものが多いので、熱などに対して変形などを起こしやすと言えます。

熱の伝わりが遅くなる

また、床暖房の上にコルクマットを敷くと、コルクマットの表面にまで温度が伝わってくるのに、少し時間がかかってしまったりします。

コルクマットは断熱性が高く防寒対策にもよく使われます。

断熱性とはつまり、熱の伝わりを断つことですが、一般的には熱の伝わりをゆっくりにするといったニュアンスにも使われます。

ですから、床暖房によって発生した熱もゆっくりと伝わることになるので、少し時間がかかってしまうというわけです。

同時に保温性もあるので、しばらくすると温かくなりますが、熱の伝わりに無駄があるということには変わりありません。

できるだけ床暖房を控えたいナチュラル志向さん向

先ほど断熱性や保温性についても説明しましたが、他にもコルクマットは、熱を奪わない性質も持っています。

ですので、よく冬の朝なんかに布団から起き上がり床に足がふれた時に感じるような、ヒヤッとする感覚も少なかったりします。

このように、コルクマットを敷くだけでも十分防寒対策になるのです。

床暖房はあるけれど、できるだけ控えたいというお宅もあるでしょう。

それは省エネの観点からであったり、電磁波の問題(赤ちゃんと電磁波~床暖房が不安な場合の対策~)であったりするかもしれません。

いずれにしてもそれはナチュラル志向であることに変わりはないでしょう。

そういった場合、普段は無しで、どうしても寒い時にだけ使えるように、「床暖房対応」となっているものだと安心して使えます。

そうやって補助的に使うのが、ナチュラル志向の生活にも、コルクマット自体にも優しい使い方になります。

床暖房のヘビーユーザーさんには

もちろんできるだけナチュラル志向に、コルクマットへの負担も少なく使いたいけれど・・・・・・

という方もいらっしゃると思います。

一度床暖房を使いかけるとその心地良さに、なかなか止めることができなくなったりします。

電磁波など気になる健康問題もありますが、冷えも体の機能を低下させ万病の元になることが知られています。

また、コルクマットは防寒というよりも、クッション性や、床の傷や汚れ防止、防音対策などが目的で、寒さには床暖房を使いたいという場合もあるでしょう。

そういった場合はどういった対策ができるかを色々調べてみましたが、やはりできるだけ低温で使うという基本的な対策しかないようです。

耐熱温度が60℃もあれば、床暖房に使っても直ちに劣化してしまうというわけではないでしょう。

しかし、熱の負担が増えれば増えるほど劣化は早まるのは言うまでもありません。

まとめ

コルクマットは特に熱に強いとは言い切れませんが、「床暖房対応可」と表記されているような一定の耐熱温度があるようなものだと、普通に使っていてもそれほど問題ないかもしれません。

ただ、ポイントになるのが、「普通に使っていたなら」という所です。

「普通」というのは一律の条件であるようで、大変個人個人で開きが大きかったりします。

ですから、実際に使っている人の感想を拾ってみても、「床暖房を使っていたら反ってきた」とか、「特になんともなってない」とかばらつきがあるのです。

感想を追うと迷いばかりが生じますが、今回説明したようなコルクマットの持つ特性から考えると、どうやって使えば負担が少なく済むかということを考えるだけでよくなります。

そうすると、自然と寿命を延ばす使い方ができるようになります。

コルクマットは特に負担が大きく劣化してしまった箇所があっても、そこだけを交換することもでき大変便利です。

しかし、やはり、できるだけ長く丁寧に使うに越したことはありません。

ぜひ、今回の知識を活かしていただけたらと思います。

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